第1章 酸化した歯車
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美咲が目を覚ますと周りが白く輝いている場所にいた。
「ここ…どこ…?」
美咲は、現在の状況を理解できていないようだが無理もない。
「やぁ、また会ったね」
倒れていた美咲に話しかけたのは、さっきの声の持ち主。白い布のような物を被っており、顔がはっきり見えない。
「あなた、誰なの?ここはどこ?私は死んじゃったの?」
美咲は彼に問う。
「まぁまぁ、落ち着きなよ。僕の名前はソード。
ここは心情の箱、簡単に言えば精神世界かな。
とりあえず色々説明する事があるから座りなよ」
彼が指差す方向には、先ほどまでなかった椅子が出現している。美咲は、言われたとおり椅子に座ることにした。
「とりあえず君はまだ死んでいない。そしてこれから君にはある仕事をしてもらいたい」
「仕事?仕事ってどんな?」
「"S"の討伐さ」
「S……?」
「そう、これから行く世界の悪の権化、全ての災害の始まりとも言われている。彼が現れてから世界は崩壊し始めた」
美咲は、まだ状況を飲み込めていない。なぜごく普通の高校生である自分がそのSを討伐しなければならないのか。しかし今は聞くことしかできない。
「今から討伐に便利な能力を君に授ける」
「能力……?」
「動かないでね……」
彼が美咲に手を向ける。すると彼の手のひらから赤い光が飛び出して来た。
「その赤い光は真源。能力の源で、それがないと能力を扱えない。今君に授けた能力は、"変幻"。
動物の特徴や能力を自分自身にインストールして、自己強化を行える。君にも扱いやすい能力だ。あとこの世界で能力のことを"真力"と言うよ。」
「へぇ……なんだか、体が熱くなって……力がみなぎってくるみたい」
「実際に強くなってるわけだしね。さてとそろそろ旅に出てもらうよ」
彼が虚空に手をが差すとそこに黒いワープゲートが出現する。
「じゃがんばってね」
そう言うと彼は姿を消した。
それと同時に美咲は黒いワープゲートに吸い込まれて行った。
黒いワープゲートは、どこかの土地に出現し、美咲をワープさせてすぐに消えてしまった。
「とりあえず元の世界に戻るにせよその"S"ってやつを倒さないと行けないよね。ていうかここどこ?」
彼女の目の前に広がっている景色は、良くはないものだった。ビルのようなものが崩壊し倒れ、瓦礫が大量に道に落ちている。空を見ても、太陽らしき星は見えず、薄黒い雲が宙を回っており風に塵が混ざっているようで、妙に静まり返っている。
「ひどい…ここでなにがあったの…?」
ひとまず彼女は人を探すことにした。
この世界で何が起こったのか。彼女もすぐに知ることになるだろう。




