前へ目次 次へ 7/590 深い霧 見難い火傷の子7 深い霧 その日は霧が立籠める朝だった。 何処行くわけでも無く歩き出した。 ちょっとした冒険のつもりだった。 直ぐ帰れば良いと思っていた。 迷うわけないと。直ぐ其処だからと油断していた。 正直自分の位置が判らなく成っていた。 戻ろうにも道が見えない。 迷った。歩き回るのも危険を感じた。 しばらく霧が晴れるまで其処にとどまって待つことにした。 周りが見えないにもかかわらず動き回って 居場所不明になるのを恐れた。 不安が溢れてきた。 霧の中で、自分の呼吸だけが浮いていた。