3:異世界だとしても戦闘したことないのに戦えるわけがない!
「ん…?」
気がつくと何もないだたっ広い草原に佇む1本の木にもたれかかっていた。
ここが異世界か。草が揺れいい風が吹いている。さて。自由だ。何しようかなあって…
「…え?ここからどうしよう。」
よくよく考えて道がわからない。なぜかお金持ってないし。そもそも言葉は通じるのだろうか。
「あのポンコツ神!!!お金くらい支給しろや!!」
うーん。とりあえず歩いてみるか。誰かいる可能性がある。
歩いても歩いても草原だな。木すら1本ずつポツポツとしかない。
10分ほど歩いただろうか。人影が見える。2人だろうか。そしてもう1つ何か見える
「…モンスター?」
黒くて大きいスライムみたいなのが見える。流石ファンタジー世界。普通にスライムがいるんだ。気になってあちらからは見えない位置まで近づいてみる。
人影は女の子2人組だった。1人はピンクの髪でショートヘア。身長は悪いけど小さい。容姿はあの神のピンクバージョンみたいな感じだ。もう1人は赤髪で長い髪。顔はいわゆる清楚系。2人とも可愛い。この世界これが普通なのか!?顔面偏差値どうなってんだよ!
どうやら戦闘中のようだ。少し押されてるように見える。
「女の子がピンチなんですよ?助けないんですか?ヘタレですね。」
「ふぇ!?」
変な声が出てしまった。
「凛音様!?いいんですか下界に降りてきて…?」
すごい見覚えのある美少女が立っていた。
「大丈夫大丈夫。そんな問題ないから。」
「はあ。」
そんなもんなのか。神様ってわからないなあ。
「んで?女の子がピンチなんですよ?助けないんですか?」
「こちとら戦闘経験皆無なんですよ。出てったって一発KOになって邪魔になるだけです。ってかなんでここにいるんです??」
「路頭に迷って倒れてないか見にきたんですよ。」
「誰かさんがお金を支給してくれなかったおかげで精神は路頭に迷ってますよ。」
「それは忘れてました!」
目元でピースをしている。呑気なものだ。こちとら死活問題なのだが。
「てか戦闘経験ないんですか?」
「いやまあ喧嘩はしたことありますけど。」
したことあるって言うかしょっちゅうしてたな。日中のコンビニの前はヤンキーとか多かったからよく掃除してたな。昼飯買いに行っただけで喧嘩売られて迷惑だった覚えがあるぜ。
「どう考えても素手で殴って倒れる敵じゃないですよあのスライム。」
でかいもん。どう考えても。アパートくらいのデカさだよ???
「いやいや。あなた今最強なんですよ。そんな常識捨ててください。」
「は、はあ。」
いやいやいや。無理無理無理。てか殴れるのか?スライムって。柔らかくて殴ってもダメージ無い可能性があるよ?
「信じられないならやって見てくださいよ!っと!」
そういって俺を押し出してきた。
「わかりましたよ…」
といってもなんて言って出ればいいのだろうか。「助けに来ました」?いや引かれるでしょ。そしたら「大丈夫ですか?」か?いやでもそんな俺強くないし…
「あ、そこの人!少し手伝ってもらえませんか?」
赤髪ロングの少女がこちらに気づいて声をかけてきた。あれ?言葉がわかる。
「いいですけど…」
勢いで承諾してしまったものの本当に戦えるのだろうか…
うん。とりあえず殴ってみよう。
スライムに向かって走る。あれ?めちゃくちゃ早い。走るのは苦手なはずなのに。
俺に気づいたスライムはネバネバした物体を吐いてくる。スライムっぽいな。あれ?でもなんか避けれるわ。これが神様パワーかあ…
1発殴りを入れる。するとスライムがめちゃくちゃぶっ飛んだ。え?ただ殴っただけなんだが…倒れている。戦闘不能状態っぽそうだ。
「すごい…あなたは?」
赤髪の女の子が不思議そうな顔で聞いてくる。やべえ。なんて返そう。
「えっとですね…」
「私の弟子ですよ。ご迷惑おかけしましたね。」
!?!?!?
(小声で)「凜音様!?なんで適当に設定作っちゃうんですか!あとあと面倒なんですけど!?」
小声で言い返してくる。
「別にいいじゃないですか。辻褄は合わせますので。」
「そういう問題じゃなくてですね!」
「えっと…七海星和って言います。んでこっちが師匠の…」
「凛音です。よろしくお願いします!」
…不安しかないんだけど
「私たちの事は場所を変えて話しましょうか。立ち話は何ですし。ここから近い行きつけのカフェにご案内しますよ。」
赤髪ロングの子が言ってくれる。街に行けるのはありがたい。
「じゃあお願いしてもいいですか?」
「もちろんです!」




