2-19.クリストファールート「初夜」
結婚式、披露宴、パレードはあっという間に終わった。
王宮には来たことがあるが、泊まるのは初めてだ。
湯浴みで丁寧に洗われ、エステも受けて、ネグリジェに着替えさせられて、自分の部屋に1人きりになった瞬間にソワソワしてしまった。
今まで結婚式で頭がいっぱいだったけど、急にこれからのことで頭がいっぱいになった。
クリス様は2ヶ月前に「私を抱きたい」と言っていたし、そういう行為をするのだろう。
想像しただけで恥ずかしくて倒れそうだ。
扉の向こうには、クリス様と私の2人の寝室がある。
寝室を挟んで両隣に私とクリス様の部屋がそれぞれあり、それぞれの部屋にはベッドもある。
だからと言って、自分の部屋で寝るのは許されないだろう。
扉の向こうにクリス様はいるだろうか。
まだ来ていなかったら、私はどうやって待てばいいのかも分からない。
自分のネグリジェ姿を見られるのも恥ずかしい。
私は部屋の中を意味もなくウロウロしてしまった。
意を決して扉を開けると、ナイトガウン姿のクリス様と目が合った。
神々しい程に美しいクリス様の程よく鍛え上げられた肉体と色気に、見てはいけない物を見てしまった気がして、一瞬にして顔を逸らした。
私が耳まで真っ赤にしながらその場で固まっていると、クリス様が私の手を取り、ソファに座らせてくれた。
隣に座ったクリス様が優しく語りかけてくる。
「セルヴィと結婚できただなんて、夢のようだ。」
「私もですわ、クリス様。」
「結婚して夫婦になったのだから、2人きりの時はクリスって呼んでくれるかな?」
「分かりましたわ、…クリス。」
「ありがとう、嬉しい。」
クリス様は嬉しそうに微笑むから、私も嬉しくなって微笑む。
「愛してる、セルヴィ。本当に幸せだ。」
「私も愛しています、幸せですわ。クリス。」
いつものような優しい触れるだけのキスを繰り返され、私の緊張も少しずつ解けていった。
軽々とお姫様抱っこをされて、ベッドの上に下ろされた。
また優しいキスをされて、そのキスが少しずつ深いキスに変わっていく。
クリス様が私のネグリジェに手をかける。
その途端、私は急に怖くなって、目をギュッとつぶってしまった。
「ごめん、もしかして僕が怖い?」
「すみません、少しだけ怖いですが、大丈夫です。私もクリスと1つになりたいです。」
「ありがとうセルヴィ。ごめんね、僕も余裕が無くて、優しくしてあげられないかもしれない。」
その夜、私たちは初めて結ばれた。
クリス様は痛がる私を気遣いながら、優しく少しずつ進めてくれて、愛する人と一つになった喜びに酔いしれた。
余韻に浸りながら触れるだけの優しいキスをしていると、また激しいキスになり、その後も何度も抱かれた。
途中からは初めて知る感覚に翻弄されて、気気がついたら意識を失っていた。
翌日は起きたら既に昼で、凄く恥ずかしくて、クリス様に抗議すると平謝りされた。




