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「ふふふ…帰ってきて良かった」
そう言って葉書をバックにしまう。
「そうだ!私、忘れ物取りに帰ったんだった」
「なぁに?」
「編み物の道具と材料」
「まぁ。置いて行ってたの?」
「そうなの。もうやりたくてウズウズしてきて大変なの」
と笑った。
私の編み物好きはママも婆やも知っている。
散々ショールや、膝掛けをプレゼントしたから。
特にショールはパーティーにも使えるってママが誉めてくれたっけ。
この家のかつての自分の部屋に入った。
あの時のまま。
まだ3日前迄このベッドで眠ってた。
クローゼットを開けて
良く着ていたお気に入りの服たちを眺める。
全部は持っていけないからと置いていったから。
結婚するんだからとほぼ服は買って行ったから。
ドレスもスーツも。
ここに掛かっているのはやはり淡いパステルカラーで、リボンやレースの着いた服達が多い。
学生や若さを強調するような可愛らしいデザインのもの。
「これは椿とお揃い…」
「これはママに買って貰った…」
「これは…」
思い出し始めたらキリがない。
開けた時とは違って少し暗い気持ちになりながらクローゼットの扉を閉めた。




