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その後夕方まで話し込んだ私たち。
夕飯の買い物にスーパーに一緒に行って、荷物を持ってあげたり、高いところの物を取ってあげたり、赤ちゃんの物を買ったり、見たり。
本当に時間を忘れるくらい楽しい時間を過ごした。
「そう言えば、さっき、時間取ってって何だったの?」
「あぁ。もういいや」
「何?気になる」
「んー。こうやって一緒に出掛けたかっただけ。今日は旦那も夜勤だから居ないしねだけど赤ちゃんの物を揃えなきゃなんないし荷物持ちに茉愛沙を使おうと思ったんだよ」
「それだけ?」
「それだけって…あんたね、新妻だよ?ご飯作ったり、掃除したり、旦那の帰りを待ったり、色々忙しいでしょ?」
「ううん。全然。だって…お手伝いさんがご飯も家の事もぜーんぶしちゃうから、何にもしなくていいの」
「は?あんたは今、マンションで2人で暮らしてんじゃないの?」
「そうよ。だけど、お手伝いさんが来て家の事はやってくれるの。それにあの人忙しいから、帰ってくるの夜中でご飯も食べないし。って言うか帰ってくるかどうかも分からないみたいだし」
「はぁ…社長婦人って…案外つまんないんだね」