お母様の容体
ハイハイしてた服だったので乳母が着替えさせてくれた後、お父様にお母様の部屋に連れてきてもらった
私が過ごしている部屋から出ると建物から外に出て庭園を通って、白い宮殿のような建物に入った
赤ちゃんの私が歩いていくにはかなり遠く感じる位置だ、まだ3歩くらいしかまともに歩けないのでどのみち連れてきてもらうしかないのだが、もし歩けても庭園すら広すぎて、私一人で歩いたら迷子になる予感しかしない
産まれて初めての外なのに、建物も大きいし庭園も広いしでよくわからなかった
赤ちゃんだからなんでも大きく見えちゃう時期なのかも、と思って考えるのをやめた
宮殿に入ると、白い服のメイドや執事達が迎えてくれた
その中の代表のような、魔法使いぽい真っ白なローブを着た男の人が案内してくれるらしい
白い宮殿の中はやっぱり白くて、青い絨毯や銀色の装飾が多かった
白い服の人たちは日本での白衣のような感じかもしれないなと考えていたらお母様の部屋についたようだ
半年ぶりのお母様、いったい、どんな感じなんだろう
ずっと会えなかったってことはかなり衰弱してるのかもしれない
メイドがドアをノックすると中にいたメイドがドアを開けてくれた
白くて広い部屋は廊下と変わらず青い絨毯やカーテンに銀色の装飾がついている
なんとなく、雰囲気がまるで病院みたいだと一瞬思ったけれど、白い天蓋付きのベッドに横たわっているお母様を見て唖然とした
青白い血の気のない顔色、こけている頬、ベッドから出ている手もガリガリで細くて、指先すらも血色が悪いのか青白く見える
寝ていると言われなければ死んでいると勘違いしてしまいそうな様子になんの言葉も出なかった
思い切って「まま」と言ってみたつもりが、消え入りそうな声にしかならなかった
静まり返る部屋で白いローブの男の人がうなだれながら口を開いた
「…主様、色々手を尽くしましたが、夫人の身体は衰弱が激しく、私にはもうできることはありません。
奇跡でも起きない限り回復は難しいかと、
もう起き上がることもできないでしょう…
こんな事を言いたくはありませんが、夫人が天に召されるまで誠心誠意お祈りさせていだきます……
力不足で本当に申し訳ありません」
お父様は暗い顔で頷いた
「……そうか、よく頑張ってくれた
原因もわからないのに大変だっただろう
…ティアナはまだよくわからないかもしれないけど、もしかしたら最後になってしまうかもしれない
看病は大変だと思うけど少しだけ時間をくれ
この部屋に、俺たちだけにしてくれないか。」
ローブの男が了承するとベッドサイドにベルを置き、メイドや執事を連れて部屋を出ていった
お父様は私をお母様の隣に降ろしてくれた
そしてお母様の顔を見つめながら私に語りかける
「ごめんな、ティアナ
もっとママと過ごしたかったよな…
もっと連れてきてあげれば良かったのに、
ベアトリスも、すまない……
原因さえ分かれば、対処できると思っていたんだ……
俺の力が及ばなかったせいだ」
お父様は泣き崩れた、お母様の手を握りながら、お母様に語りかけ始めた
何もできなくてごめんよと何度も何度も言っていた
私はうわ言のようにぱぱ、ままとくり返すことしかできなかった




