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好きなように生きるのは難しい  作者: もちむぎなこ
19/20

これって魔法?




どれくらい時間が経ったのか分からないが、多分夕方くらいかな




執事たちから話を聞いたのだろう、お兄様が泣きながら部屋に来た




少しだけのはずが、お母様からなかなか離れられなくて、ローブの男や白服メイドたちが交代で様子を見に来たとき、当たり前だが、お父様がこれじゃあ仕事なんて手につかないと嘆くので、このまましばらくみんなでお母様のそばに居ることになった




自分の予想よりお母様の容体が悪かったことにショックが大き過ぎて長い時間呆然としていた




お父様もお兄様も泣きながらお母様の手を握り祈るようにすがるように顔を見つめている




私はずっとくっついているわけにもいかなかったので、乳母が抱いてお母様の近くに座っている




お母様が亡くなるまでこの部屋でみんなで過ごすのか、私の寝台が運ばれてきた




お父様たちはお母様の部屋と繋がっている隣の部屋で寝るらしい




こうなった以上、お母様がいつ死んでもおかしくないという現実を実感してきて深い悲しみが襲ってくる




私を産まなければ…お母様はこんな事にならなかったかもしれない




私が産まれなければお父様もお兄様もこんなに悲しまなくて済んだのだ




今世ではお母様を失いたくないと思っていたのに、結局こうなってしまうのかとぐるぐる考えていたときふと思った




原因が分からないってどういうことだろう…




産後の体調が良くないのが悪化してこうなってると思ったけど、お父様はそう言わなかった、原因が分かれば対処できたってさっき言ってた




前世では日本に生まれて魔法なんてなかったけど、病気をしても病院に行けばお医者さんが原因を探して治療してくれた




処方された薬を飲めば楽になったし、寝ていれば治った




怪我だって、すぐに対処できれば命に関わることは少なかった




それがどれだけ素晴らしいことだったのかを今実感している




この世界には魔法があるのに、お母様に、本当に何もできないのだろうか




もし、私にも魔法が使えるのなら、今の私でも、もしかしたらできることがあるかもしれない




魔法がどんなものがなんて知らない、




この世界の知識も足りない、




だけど、失いたくない!




今世ではお母様を助けたい!




願っても叶うわけじゃないってわかってるけど、今の私にできることは……お母様の回復を強く願うこと




お父様やお兄様のように、お母様のそばにいて心のなかで語りかけることしかできない




乳母にアピールしてお母様の顔の近くに座らせてもらった




青白い顔を眺めながら、お母様の額に手をのばす




(もし私にも魔法が使えるのなら、治したい)




強く強く願ったら、私の身体から温かいものが溢れてきた




なんだかよくわからないけど、この温かいもので治せるんじゃないか、そう思えた




温かい力をお母様の額に集中して集める




元気になってほしい、そう願いながら続けていたら、温かい力がお母様を覆うくらい大きくなった




突然、私の胸のあたりから光が溢れたと思ったら、集めていた温かい力も光り始めて、気づいたときには眩しい光で部屋がいっぱいになっていた




驚いてまたぼうっとしていたら、光がどんどん落ち着いて、お母様に吸い込まれるように消えていった




お父様もお兄様も驚いた顔で私を見つめたが、私にもよくわからない状況だったので、知らないふりをしてお母様の様子を見ていた




すると、さっきまで青白くこけていたお母様の頬の血色が良くなってふっくらしていることに気がついた




あれ?と思っていると、お母様の目がぱちりと開いた




産まれた時に見たお母様の瞳の色、暗いところでは茶色に見えた瞳は、琥珀色だったんだなぁ、なんて考えていたら、視界が歪んで暗くなっていった




(身体に力が入らない、魔法ちゃんと使えたのかな…)




皆がなにか言っている気がしたけど、起きることができなくて、私の意識は途切れた





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