再戦ー2
「『スピードアップ』」
まずは、高速移動を使ってきた。
「さてと、どこから来る?(後ろ?上?まぁ、どこから来たとしても)」
「これはどうかな〜、『スラスト・インパルス』」
気配は、後ろ!
振り向いたときには、ヴェルムと、ほぼ目が近い距離にまで迫ってきていた。
さらに、剣先を私に向け、突き出す直前の動作をしている。
「は!!」
予想通り、突きをしてきた。
バゴーーン!
「何?!」
目の前で、真っ赤な炎が燃え上がっている・・爆発?!
はぁ〜、バリアがなかったら、確実に死んでいたよ!
「驚いた?うんうん、その表情、ちゃんと驚いてくれてるね〜」
ヴェルムが、誇らしげな顔をしながら、再び剣を持ち直す。
「大丈夫か?」
後ろから、カインが心配をしてくれている。
少し・・いや、大分テンパっちゃっていたけど・・
「ううん。大丈夫です!カインさんも気をつけていてください!私を無視して、襲いかかってくる可能性もありますので」
「そうだな、ありがとう!(僕も、それは考えてはいた。たとえ、剣自体は避けれたとしても、爆発は喰らってしまうだろう。より警戒を強めなくては)」
「そんな風に庇いあっている場合かな〜?『スピードアップ』!」
魔法を用い、私とカインの間に、目にも止まらぬスピードで割り込んできた。
ヴァイスが言っていた。
相手の移動先を予測して、仕掛ける!
う〜ん・・
まだ『スピードアップ』に対しての対策は無理だよ!
と考えている間に、ヴェルムが剣を両手に持ち、剣先を床へと向けている。
「避けられるかな〜!『クラッシュ・インパクト』」
そして、剣をそのまま床へ突き刺すように下ろし始めた。
えっ!
一瞬で何を。どんな魔法を使おうとしているのか。予想はついた。
おそらく、剣が地面へ付いた瞬間・・
爆発する!
私のバリアは、他を庇えられない!
「カインさん、避け・・」
「『リフレクト』!」
カインが、そう魔法を唱えた。
「うわっ!」
その次の瞬間には、ヴェルムが、玉座の前辺りを転がっていた。さらに、少し離れたところに、彼の剣が転がっている。
「僕の魔法はこういう扱いもできる。どんな不可避の技でも使われる前に、対処だ!」
ヴェルムはゆっくりと立ち上がるが。
「うっ!これはちょっと不利だ・・」
「おっと。それ以上、動かない方がいい」
カインは前に手の平を突き出したまま、そう脅しかける。
「あと、『スピードアップ』をしても無駄だぞ。向かう先は見え見えだからな」
うん?!
あ〜、なるほどね。ヴェルムが突き出そうとした手の方向・・
剣を拾いに行こうとしたのが、丸見えだ。
なら、あれは・・
「よっ!と」
2人から見ても、一瞬のうちにスッと剣を拾い、元の位置に戻・・れたかな
歩いて取りにいいってもよかったけど、念の為ね。
「うっ!」
立ち上がったばかりのヴェルムが、その場に崩れ落ちる。
短距離ワープを連続で繰り返す。
うん!
これは、もう完璧かな。そこまで魔力も使わないしね。
・・それより。一旦、この剣はしまっておこうかな
「さて、王はどこにいるか・・」
カインは目線をチラッと向ける。
「最初にも言ったけど、自分は知らないよ」
「そうか。だが、予想はありそうだな」
ヴェルムが目を逸らした。
やっぱり、何かは知っているみたい!でも、そうそう簡単に吐いてくれる訳もないし
「我はここだぞ」
なっ!後ろ!
「チッ!王か。遅かったな、ヴェルムは無力化したぞ」
「まぁ、そんな気はしていた・・だが、いい時間稼ぎにはなってはくれた。お前は城の前の奴らを相手して来い!」
「このまま行かせるとでも!」
カインがヴェルムの動きを止めようと、歩み出そうとした
が、私はその手を掴んだ。
首を振り、目と動きで伝える。
もう近距離攻撃が無いなら、マリアナ達で圧倒できる。
なら、王と人数有利に持ち込んだ方が、得のはず
「・・ああ。分かった」
ヴェルムは王室を背に駆け出し、もう見えなくなってしまった。
「んっ?止めないのか?」
少し意外そうな目でこちらを見つめてきた。
「そうだけど、予想外だった?」
「いいや、ちゃんと頭が回ることに驚いただけだ」




