乱戦ー2
「来たか!」
リアンと交戦中のマリアナが振り返る。
「何がだ?!お前たちの増援か?」
「まぁ、そんなところだ・・半分はな」
そう言うと、構えていた剣を下ろし、分身体を呼び戻した。
そして、同時にマリアナの後ろでは。
「何だ?・・・いきなり、危ないな。まぁ、こんな露骨にワープしてきたら狙いやすいよな!」
ゲートから飛び出してきたヴァイスは、ロレンツォの大剣を受け流し、横に飛んだ。
「チッ!何だ、今のは?敵の増援か!?」
「おっと、我だけじゃないぞ。ゲートに気をつけた方がいい」
完璧に着地をした後、ヴァイスの方を向いているルチオとロレンツォの2人に注意を促す。
「んっ?」「今度こそは、俺が・・」
2人がゲートの方を向いた時には。
ゲートを通ってきたスルヴァが迫ってきていた。
「何だ!こいつは」
「ルチオ、下がっていろ。俺がやる。『ウィンドフォージ』」
ロレンツォは前に出、両足をどっしりと構え、風を纏わせた大剣を円を描くように、思いっきり振り上げる。
この攻撃により。
ブォン!という豪風音を鳴らしながら、スルヴァの左腕を切り飛ばす
「・・・」
ことは、できたが・・
スルヴァの猛進は止まらない。右腕に剣を持ちながら
「こいつ!(このまま来るつもりか!)ルチオ、回避だ!」
「ああ!」
2人が避けた直後
ドォン!
と地面に直撃し、土埃が舞い起こった。
「(さて、この2人・・とあそこの1人がどこまで対抗できるか・・)はぁ!『ヴォイドスラッシュ』」
2回剣を振り、2つの闇の刃を飛ばす。
「(ひとまず・・この隙に)両足を切り落とす!」
しかし。
ブォン
消失音がし、飛ばした刃が消し去られてしまっていた。
「なっ!(もう腕が再生したのか。じゃないと、流石にあいつでも消すのは1つが限界だ)」
土埃が収まり、スルヴァが姿を表す。
「・・・」
そして、ゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡し始める。
「んっ?どういうことだ?」
よく見ると、まだ右腕を再生している最中だった。あと、足にも少し亀裂が生じていた、完全に切り落とせているわけではなかったが。
「ヴァイス!」
割り込めるタイミングを見計らい、マリアナ、トライア、キラナ、ミーナの4人が集まる。
「これがヴァイスが考えた作戦で合ってるか?」
「完璧だ。だが、いつ攻撃が来るか分からない!続きは後だ」
そう言うと、ヴァイス以外の4人がそれぞれ四方の家の屋根へと距離を取る。
「おい!お前達2人と後ろの1人・・隊長で合ってるか。ひとまず、こいつから距離を取れ!」
ヴァイスはロレンツォ達に、少し離れながらも、そう呼びかける。
「な、何?どう言うこと?」
「えっ?」
だが、3人は動かない。動こうとしない。
「ちっ!(分かってはいた。当然、こんな状況、困惑はする)動かないと死ぬぞ!」
その瞬間、スルヴァが再び走り出した。
もちろん、全ての部位の再生が完了している。
「(流石にこんなに経っていたら、再生が済んでしまうか!狙われるとすれば、一番距離が近いあいつか!)」
目を向けた時には、ヴァイスの予想通り、ルチオの方へと向かっていた。
「やっぱりか!」
「おい!ルチオ!逃げろ」
ロレンツォもワンテンポ遅いが、そう忠告を出す。
「クソッ・・(あの大剣使いじゃ間に合わない。王に対抗するためにも、目撃者は一人でも多く残さなければ・・・仕方が無い!距離的に考えても、救出可能なのは我だけ。それに、スルヴァを討つ戦力を減らすわけにはいかないしな)『ダーク・クオーク』」




