ヴァイスvsスルヴァ
さて。コスモスがいなくなったことだ。これで、技を縛る必要はないな
「聞こえていることはないと思うが。前は手を抜いて悪かったな、今回は本気を出せる」
紫色の双剣を闇魔法で生み出すと
「『ヴォイドスラッシュ』・・まずは数だ」
ヴァイスが剣を振る度に、複数の闇の斬撃が飛ばされる。
・・おそらく、全て弾いてくるな。このまま数を増やし続けるべきか・・いや!
「『ダークステップ』近づくまでだ」
この技は、ハイド・オブ・シャドウとは違い、正面突破だけのためにある。
「・・・・」
あとは、喋らないというのは、戦いもつまらなくなる一つの要因かもしれないな。なるべく早く片付けて、コスモスのところへ駆けつけたいんだが
「んっ?何だ」
迫り来る斬撃を目の前に、スルヴァは剣を片手でぶら下げるように持ちながら、一歩進み出ると・・
1秒も経っていない内に、全ての斬撃が消滅した。
「くそっ!」
前もそうだったが、振るスピードがほぼ見えないな。後・・
「なっ!」
気づいた時には、目の前まで近づかれてしまっていた。さらに、剣を振りかぶる準備も、とっくに完了しているようだ。
スピードも速い!
「チッ!『ダークシールド』」
・・まぁ。これで、分かったな。闇魔法をかんがえないとしても、実力は衰えてはいない。
なら、前で分かっている。
まず、相性の悪さもあるが。
まともに、1対1でやれば、いずれ終わる。我一人では、勝てる可能性はゼロ・・に近い。
「だが、そんなことで折れる我ではない!」
とは言ったものの、念の為・・
「『ヘルフレア』(いくら、スルヴァとはいえ、その炎に突っ込んでくることは・・フッ)『ハイド・オブ・シャドウ』あとは、『ダーク・クオーク』」
(『ダーク・クオーク』は、一度限りではあるが。どんな魔法でも(いや、光魔法だけは貫通されてしまうが)無効化できるようにできる、上位闇魔法の一つだ)
やはり、予想通り突っ込んできたな!
こんな簡単に背をとれるとはな
「・・・」
だが・・
1秒も経たない内、すぐにスルヴァと目が合った。
来る!カウンターが!
「『ヴォイドスラッシュ』」
この距離なら、全て捌き切れるわけがないだろう。
素早すぎる剣捌きを、再び披露してくれたが。
5つの斬撃がスルヴァの肉体に傷をつけた
だが、それに怯むことなく、剣を猛スピードで振るいながら、近づいてくる。
「チッ!『ヴォイドスラッシュ』『スピードアップ』」
スルヴァが斬撃を弾いている隙に、広間の端まで移動するしかない。
まともに打ち合えば、確実に死ぬ!
息を整え、スルヴァがいた方向を見つめる。
「・・・」
ムカつくほどに、そのジッとした目つきは変わることがない。
「フッ!戦ってみてわかる。人工のスルヴァの恐ろしいところは、感情・・というより、痛覚がないところだな。動きが鈍ることがない」
このまま成功率の低いヒットアンドアウェイに徹しても。我が押されるだけだな
「『アビスゲート』」
そう唱え、真後ろに1つの紫色の次元界を作り出す。
「フッ、ついて来い!・・ま!言われなくとも来るだろうがな」
あまり頼りたくはない手ではあった。
勝てる可能性を確実にするには、この方法しかない。
ー5分前、城外ー
「この剣はもらって行くぞ。俺には扱えないが、仲間にはいるからな」
その直後・・
「あげるわけにはいかないな」
翔の真後ろから。誰かは分からないが、高い声の男性がそう声を掛けてきた。
そして、次の瞬間には
ゴッ!
男が腕に付けている盾を振り上げ、翔が突き飛ばされてしまう。




