一時の撤退と・・
「うっ!」
地面に叩きつけられた衝撃で、翔から声が漏れるのと同時に
「翔様、今行きます二ャ!」
その声が耳に入ったトライアが、真っ先に動き出す。
走り出すと共に。
5人ほどの兵士が盾と剣を構え、妨害を試みようとしてくるも・・
「邪魔二ャ!『フロストクロー』」
冷気を纏わせた爪で、武器や鎧の一部を凍結させ。
強引に突破し、翔のところへ向かう。
「んっ、メイド?『ボルトフォージ』」
男は盾を背に仕舞い、魔法を唱えた直後・・
バリッ!
という音と共に、男の剣から、少し放電し始める。
そして、剣を両手で持ち、構えた。
「二ャ?!『ダブルステップ』」
そう唱える。と同時に、男が剣を全身の体重を乗せるように、思いっきり振るう。
「何!?」
刃が届くより前に、トライアは華麗な動きで男の真上へ飛び上がる。
「ボクのスピードを舐めないほうがいい二ャ!」
男を飛び越し、翔の元へ辿り着いた。
そして、男の方からは、ブンッという風切り音。そして、パリリリッという感電音の2つが鳴り響き。その場にいる全員の耳に入った。
「・・翔様!一旦、離れましょう二ャ!」
「あぁ!ありがとう」
翔は、素早く、トライアに差し出された手を掴み、立ち上がった瞬間。
「うわっ!」
「ちゃんと掴まっててください二ャ」
そのまま、力の勢いで、トライアに背負われ、猛スピードで移動を開始した。
「(逃げたのか?それとも、仲間と合流するつもりか?・・)おい、ルチオ!後を追うぞ!ほら、剣は取り返しておいた」
「ハァ〜、ロレンツォ。あんたは、いつも来るのが遅いな。反乱が起きている時でもな」
痺れが治ってきたのか、ゆっくりと立ち上がりながら、そう言いつける。
「言い合いなら、追いかけながら、するとしようか。とは言え、今回ばかりは、俺も取り逃がしてしまったが!」
そう言い終えると、二人はトライアと同じくらいのスピードで走り出す。
道中。
残りはわずかではあるが、数人の兵士を相手に魔法で抗戦しているミーナを半ば無理矢理、回収し・・
城から少し離れた、警備部隊の基地付近で戦闘を。そして、一旦目に入る敵は倒し終えたマリアナとキラナの元に合流した。
「んっ?3人とも来たのか。城周辺の敵は倒し終えたのか?」
「少し、残ってしまってます二ャ」
質問に答え、ハァハァと呼吸を整える。
「それで、何があった?」
「翔様が不意打ちを喰らってしまって、引き返してきました二ャ。」
2人が会話をしている中、キラナは敵が来ないか周囲を確認しだす。
「・・状況は理解した。(翔様でもか。侮らないほうが・・)んっ?」
マリアナの腕輪の一部が白く点滅しだす。
腕輪を操作し始め、30秒後・・
「・・・フッ」
マリアナは、ニヤリと笑いを浮かべるが、すぐにいつも通りの冷静な表情に戻り。
「そろそろ、警備部隊の大元へ向かうとしよう。それに、強めの気配、2人が追いかけてきている。おそらく、その隊長だろう。まとめて片付けるとする」
「は、はいニャ!」
「じゃあ、行くぞ。ついてこい・・あと、ミーナは私が背負うとしよう。キラナは・・」
「私は飛べるから大丈夫だよ〜!」
ニコッと笑みを浮かべて、そう返事を返す。
走り始め(一人は『飛行』をつかってはいるが)本部は目と鼻の先の距離まで、迫れたが・・そこには、十数名の兵士。そして、鎧からして隊長の一人である可能性が高い女性が一人待ち構えていた。
「(強者が3人、雑魚が複数・・現時点での、こちらの主戦力は4人。翔様は、魔力が回復するまで出張ることはできない)まずは、様子見がてら、本気は出さずに行く!あいつの能力が判別できるまではだが」
おぶっていたミーナを降ろし、そう判断を下す。
「はい二ゃ!」「わかりました」「は〜い!」




