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急にエリーゼが、自分で自分の体を抱きしめる様にして腕を擦り始めて、マリィはその動作に困惑した。
(エリーゼさん、どうしたの?)
エリーゼはよく見ると震えているように見えて、益々マリィは困惑する。自分は何か怖がらせてしまったのだろうか?
疑問に思ったが、マリィはその時自分の目的を思い出した。そして今の時間も。
何故震えているかはわからないが、とにかく目的を達しようと思った。ちゃんと謝罪して、何故“防犯ブザー”の開発者に会いたかったのかを今度はちゃんと聞かなければと思った。
「ごめんなさい、遅い時間なので単刀直入に話しますね。実は私エリーゼさんからもらった手紙を、すべて読まずに捨ててしまったのです。本当にごめんなさい」
それからマリィは、どうして自分がそんな事をしたのかを理由を話した。その間、エリーゼは無反応だったが、それをマリィは呆れからくるものだと思っていた。
学園での噂から、悪女や悪役令嬢などと言われ続け、ルーセントとの仲を勘ぐる令嬢達からの嫌がらせの手紙に辟易していた事。そしてエリーゼの手紙もそのような手紙と勝手に決めつけて処分してしまったと伝えた。
全部を話してからも、マリィはエリーゼに頭を下げて「ごめんなさい、本当にごめんなさい」と何度も謝罪をしたのだが、エリーゼからは何の言葉もなく、許してもらえない事もしょうがないかと諦め始めた時、エリーゼの吐息が漏れた音がした。
「⋯⋯あの、マリィさん」
「は、はい!」
やっとエリーゼから反応されて声をかけられたマリィは、嬉しくて下げていた頭を勢い良く上げた。
「手紙って何の事ですか?私はマリィさんに手紙を送ってはいません。もしかしたら私の名を語って、何処かのご令嬢が本当にマリィさんに嫌がらせ目的の手紙を送ったのではないでしょうか?」
ルーセントの言葉足らずの手紙の件で、マリィも誤解したが、その誤解がエリーゼには解けていないことをマリィは失念していた。
それをエリーゼの指摘で思い出したマリィは、改めてエリーゼに話した。
「エリーゼさん、ルーセント様に手紙を預けていましたよね。防犯ブザーの開発者に渡して欲しいと」
「えぇ、はい、そうですが⋯どうしてそれをマリィさんはご存知⋯⋯まさか!」
「おそらくエリーゼさんの考えてる事は当たっています。防犯ブザーを考案したのは私なのです」
エリーゼは、マリィの話した真実に、驚きすぎてその場にヘナヘナと頽れた。




