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商会で今日も今日とて、スケッチブック片手に、必死で頭を捻りながら絵を書くマリィ。
彼女が今書いているのは鉄道だった。
ただ、これは商会に出す予定ではなく、あくまでも、こんな物って作れない?と技術者達に見てもらう為に描いていた。
今マリィは、悩んでいた。
悩みの種のルーセントは、マリィにエリーゼの事で、行動と言動を詰られてからは、マリィには会いに来ていない。
あんなに愚痴愚痴と愚痴を言いまくっていたのに、どうやらマリィに言われた事で、己の行動を省みて、相当反省と後悔をしたようだ。
それはマリィも同じだった。
そんなつもりはなくても、マリィはエリーゼを完璧に無視したのだ。
それを途轍もなく後悔していた。
だからというのも変だけど、マリィは今ある行動を起こそうと考えていた。
その為にエリフォーヌに面会を申し込んでいる。
エリフォーヌには、他の令嬢よりも気に掛けてもらえていることを、マリィは自負している。
それでも今までは、色々と遠慮していたけれど、ルーセントとの縁談の話がそれとなく出てからというもの、その話になったら断れなくなるという理由で、敢えてエリフォーヌから少し遠ざかっていた。
だが今マリィの考えていることを実行するには、エリフォーヌの力が必要だった。
その返事を待つ間、新しい商品の事に手を付ける訳には行かなくて、その暇つぶしに鉄道の絵を描いていたのだ。
「マリィさん、お客様がお見えです」
同僚に呼ばれて応接室に行くと、そこには面会を求めていたエリフォーヌがいた。
「エリフォーヌ様!態々足を運んでいただけるなんて、申し訳ありません」
慌てて挨拶をしたマリィに、エリフォーヌは笑顔で「大丈夫」と言ってくれたが、そんなわけにはいかない。
散々恐縮しながら、マリィはお詫びをしまくった。
「さて、マリィ。話があるそうだけど、何かしら?ルーセントの事だったら大歓迎ですけどね」
そんな事はないとわかっていながら、サラリと嫌味を言うエリフォーヌに、マリィは「ハハハ」とカラ笑いしかできなかった。
(相変わらず牽制が上手い)
マリィのお願いは、エリフォーヌの考えにおそらく背くことになる。理由はエリフォーヌの考えられる事ではないのだけど、きっとそう誤解をしてしまう事は分かっていた。それでも頼まなければならない。
「エリフォーヌ様、私ちょっとした理由で、隣国へ行きたいと思っています」
マリィの言葉に、エリフォーヌの顳顬がピクリと動いたようなきがした。




