↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたと私の分岐点  作者: maruko


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/58

47

 エリーゼは、第二王子に付いて隣国へ来たのだが、心の中で複雑な思いを抱えていた。


 “転生者”であると予想する人物と連絡が取れなかった事が残念な事と、一緒に同行した侍女と仲良くなれそうにない上に、前世を思い出す前のエリーゼを見ているようで居た堪れない事が、胸の中で交錯していた。


 第二王子の留学に同行したのは、護衛4名と侍従2名側近候補2名、そしてエリーゼも含む侍女2名だった。


 そのもう一人の侍女の行動が、エリーゼの黒歴史とも呼べる時と同じで、明らかに男に媚びを売るしか興味がない女の典型だった。

 名前はドリスで、生家の爵位は子爵家だった。

 この爵位も厄介だった。

 年齢は、エリーゼよりもひとつ下だが、彼女は侍女になってまだ1年だった。どうして今回のことで彼女が同行することになったのか、理由を彼女からは聞いたが、それは本当の理由ではないようにエリーゼには思われた。


 そして、侍女になってまだ1年しか経過していないこともあり、王宮で働く侍女の上下関係が分かっていなかった。

 いくら経過年数だと説明しても、ドリスは理解せず、実家の爵位で物を言うのだ。

 曰く、子爵家の娘であるドリスの方が、男爵家の娘のエリーゼよりも発言権があると宣う。

 そして厄介なのは、実は男性側の上下関係はそれで正解なのだ。

 だから、ドリスの言う事にエリーゼが反論しても、周りは誰一人理解してもらえなかった。


 だから頗る仕事がやり難い。


 第二王子のアンドリューは、母国では学園を卒業している。隣国への留学は、あくまでも表向きの体裁で、本当の目的は婚約者である隣国の王女との親交を深めるものだ。


 本来は、婚約者の王女がエリーゼ達の国に留学してくる予定だった。

 だが、実を言うとまだ婚約を隣国側が渋っているため、現在は“仮”の婚約状態なのだ。


 それを口説き落とすのがアンドリューの最大の仕事であった。


 男ばかりだと何かと女性への気遣いが出来ないだろうという事で、侍女数名の同行が検討されて、それにエリーゼが選ばれたという事だ。


 であるならば、王女の情報を先ずは調べなければならない。

 国側に伝えられている王女の姿が、本当だとは限らないのだ。それがアンドリューに同行してきた護衛以外の者が担う事なのに、皆が皆ドリスに骨抜きにされて話しにならない。


 唯一、アンドリューが幼い頃から付いている侍従のオットーだけは真面であるから、アンドリューにまでドリスの毒牙は届いていないのだけが幸いしている。


 隣国(こちら)に来て2週間目。


 最初の王妃の宮の侍女長への報告に、エリーゼはドリスとその他の供の呆れた生活を書き殴った。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。