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(今日もいる)
エリーゼは、あの告白から1日置きにルーセントの待ち伏せにあっていた。
本当は、とてもとても文句を言いたい。
でも言えない理由がエリーゼにはあった。
それは3年前、自分も同じ事をルーセントにしていたからだ。
これは非常に迷惑な行為だ。
そしてそれをエリーゼは約3ヶ月行っていた。
その事をルーセントは、もしかしたら覚えているのではないだろうか?
という事は、先日の告白も真に受けないほうがいいかもしれない。
王宮の他の部署の侍女等にも、エリーゼは囲まれてそう言われたからだ。
真剣だったとしても、絶対に公爵家の方で、反対されるはずだから。
そんな事を思いながら、今日もルーセントの前を素通りしていくエリーゼ。
そして案の定声を掛けられる。
「モエラーズ男爵令嬢、これを」
「⋯⋯ありがとうございます」
今日は、花ではなかった。
大体いつもは綺麗な花束を贈っていたルーセントは、今日は小さな箱を差し出した。
「良かったら、開けてみてくれないか?」
言われて、どうしようか迷ったけれど、感想を聞きたいのだろうと思ったし、高価そうな物なら遠慮したいので返そうと思った。
立ってリボンを解くのも、やり難かったので、少し先にある窓際へと向かった。
窓の桟に箱を置いて、リボンを解いていく。
そして開けた箱の中身を見て、エリーゼは固まった。
「これは、何でしょうか?」
箱に入っていたのは、一見するとブローチのようにも見えるが、飾りや宝石が付いているわけでもない。ただの白い楕円形の物体だった。裏を返すと丁度エリーゼの親指くらいのボタンが付いている。
えっ?こっちが表?
よくわからないものを、何度かひっくり返していたら、その手をルーセントに止められた。
思いもかけず、手を握り合う形になって、エリーゼの顔が真っ赤に染まる。
「あっ、ごめん」
「いえ、あの、これは?」
顔が熱くて真っ赤になっているのが、分かっているエリーゼは、ルーセントを直視出来ずに少し俯きながら聞いた。
「それは、ぼうはんぶざーという物らしい」
「⋯⋯防犯ブザー?」
「うん、えっ知ってるのかな?今度うちの商会で売り出す予定なんだけど。女性や子供が犯罪に巻き込まれないように、助けを呼ぶ物だ。このボタンを押すとすごい音が鳴るんだよ。あっ!試したりしないで、音が凄いから」
エリーゼは、その防犯ブザーを握りしめて震えた。
「こ、これを商会って。伯爵家の商会で作っているんですか?」
「いや、公爵家の商会なんだけど。どうしたのモエラーズ男爵令嬢?」
「あ、あの!これを開発した方とお会いしたいんです!お願いします」
興奮したエリーゼは、ルーセントの手を握りしめて、齧り付く勢いで頼んだ。
(絶対、転生者だ!やっぱり私の他にも居たんだ!)
鉛筆作成者が、結局わからずじまいで、諦めていた、エリーゼと同じ転生者。
会えるかもしれない!
エリーゼは期待に胸を膨らませいた。




