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「実は、気になっている女性がいるんだ」
「ひょっとしてその方が男爵家のご令嬢なのですか?」
マリィが身分差の事を言ったときの反応から、相談があると持ちかけられた時、ある程度予想はついた。
だからマリィは口にしたのだが、ルーセントは驚きながら頷いていた。
「どうしてわかったんだ」
逆にどうしてわからないと思ったのだろうか?
マリィは、自分の勘は鋭くはないが、鈍いわけでもないと思っている。
あんなに分かりやすく、反応すれば誰でもわかるというものだ。
「お相手の方は何と仰っているのですか?」
マリィは、ルーセントの相手が爵位目当てでなければいいのだけど、そう思いながら聞いたが、何とルーセントは、ただ気になっているだけで、告白すらしていないという。
20を超えた年の青年が、奥手にも程があると思った。
前世の感覚があるマリィには、この世界は早ければ15、6歳で婚姻する人もいる。特に平民に多いけれど、全体的に結婚が早いなと思っていた。その中でこういう人もいるのだと、思わず「天然記念物?」と呟いてしまった。
「お相手に何も言ってないのであれば、何を悩んでいるのですか?さっさと告白してください。話はそれからですよ」
「⋯⋯だが、相手にされていないと思うんだ」
マリィはその気弱な発言に驚いてしまった。
ルーセントは、今は既に伯爵で、次期ムートン公爵でもある。容姿も整っているから、昔からキャーキャー令嬢達から騒がれていたのを知っている。そんなルーセントを、相手にしない人なんているのだろうか?
しかも口ぶりから、アプローチはしている風でもある。
「なぁマリィ。告白ってどうやってすればいいだろうか?そしてもし断られたら私はどうすればいいだろうか?」
知るか!そんな物!
マリィは頭を抱えた。




