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あなたと私の分岐点  作者: maruko


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 階段から落ちた時、あちらこちらをぶつけていたが、エリーゼを下敷きにしていた為、マリィの体は多少の傷はあるものの軽症だった。


 マリィは、エリフォーヌに下敷きになったエリーゼの事を聞いて、謝罪とお礼を言いたかったが、彼女は配置は違っていても、王宮の侍女であるから、侍女を辞めたマリィが簡単に会うことは出来ない。


 それとエリフォーヌに言われたのが、彼女は普段から素行が悪く、そろそろ馘首(クビ)になるはずだったそうだ。だからマリィは関わる必要はないと言われた。

 それでもマリィの恩人には変わりない。


 マリィは手紙を書きたいとエリフォーヌに懇願した。

 それにもエリフォーヌは渋い顔をする。

 マリィはそのエリフォーヌの態度が、いつものエリフォーヌらしくないと感じる。


 そして聞かされたのは、あの医務室で会って、散々マリィに悪態を吐いたカイザの事だった。


 彼は、ナリッシュ男爵領の隣の領地のラガン伯爵家の令息だ。記憶を取り戻す過程で彼の事もマリィは思い出していた。

 幼馴染というほど、親しくしていたわけではないが、子供の頃に数回会って遊んでもらってたことがあった。


 公爵家で再会したときマリィは驚いた。

 カイザは、アマリーヌの兄であるルーセントの従者として仕えていた。

 マリィは誰も知り合いのいない公爵家で、馴染みとまでは行かないが、知った顔を見て嬉しくて話しかけた。


 はじめは彼も再会したことを喜んでくれていたのに、学園に入ってマリィの悪評が広まると、途端に態度を変え、アマリーヌの言葉を全て信じた様で、あの医務室での態度は、いつもの彼だったのだ。


 一先ず彼は、マリィの婚約者などという事は無かったということにホッとしていた。


 マリィの下敷きになったエリーゼは、前々からルーセントに付き纏っていたらしい。だが、とことんエリーゼを躱すルーセントを落とす為に、あろうことかカイザを懐柔したのだとか。


 医務室でのエリーゼに対するカイザの言葉を思いだし、マリィはなるほどと思った。


 もうすでに彼はエリーゼに陥落されていたのだ。

 その事をエリフォーヌが、よく思っていないのは彼女の態度で明らかだった。


 いくらマリィの恩人でも、エリフォーヌはマリィに、エリーゼに近づいて欲しくないと言った。


「でも、偶然でも彼女がそこにいなければ、私はもっと大怪我をしていたと思います」

「それはそうだけど⋯」


 エリフォーヌの話では、彼女は全身を打撲しており、完治までは1ヶ月以上罹るかもと医師の診断書が出たのだと教えられた。


「なるべく、彼女に配慮をお願いします」

「ふぅ分かったわ。そうよねマリィの恩人だもの。出来るだけのことはするわ。そうだ、マリィの籍が開くから王妃陛下に監視してもらいましょう。それがいいわ、王妃陛下の元なら流石に彼女も大人しくなるでしょう」


 エリフォーヌは、独り言のように言って、一人で納得していた。


 関わるなと言われてしまったマリィは、エリーゼに心の中でお礼を言っていた。


 (エリフォーヌ様の目があるから、お父様に頼んでこっそり何かお役に立てる物を用意しよう)


 ナリッシュ男爵がマリィに頼まれて用意したのは、エリーゼが療養中の食事に毎食デザートを用意する事だった。






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