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「ところで、マリィ。あなた今後はどうするの?記憶が戻ったなら、復帰も可能でしょう?」
エリフォーヌの言葉に、マリィは迷うことなく返答した。
「エリフォーヌ様、大変ありがたく身に余る光栄な事とは存じますが、できればこのまま出仕はご遠慮申し上げたくあります」
「それは、フェリシアの事?」
「それも多少なりとは懸念事項でもありますが、他にやってみたい事が出来たので。叶う夢かは分かりかねますが、やってみたいと思ったものですから、希望を述べさせて頂きました」
それまでのマリィへの教育に、時間や労力を割いてくれたエリフォーヌには、申し訳ないと思いつつ、前世を思い出したマリィは、それを活かして何か出来ないかと考えていた。
王宮にこれまでと同じように働くとしても、フェリシアが居るならば、今回のようなことはまた起こる可能性が多いにある。
しかも、彼女はこれからのストレス発散の矛先をマリィにする事も立場的に可能なのだ。エリフォーヌに話した事で、それは避けられるかもしれないが、王宮という外には漏れない空間では、完璧に安全とは言い切れない。
それならば、マリィがそこから離れる方が、よっぽど安心して暮らせる。
それに、侍女見習いの禄はある程度貰えるが、それから出世していかなければ、この家の購入費用がいつまで経っても返せない。
それならば、どこかの商会に入って、前世の記憶を元に便利グッズなどを提案すれば、それがお金になるかもしれない。
マリィはそう考えていた。
「やりたいこと?それは何かしら?」
「実は以前から考えていた私のアイデアを形に出来ないかと考えているのです。成功するかどうかは未知ですが⋯」
「まぁ何かしら?」
マリィの言葉に、エリフォーヌが興味を持ってくれたようで、少し身を乗り出すように尋ねてくれた為、マリィは前世の記憶を元に、色々と話してみた。
マリィの話を聞きながら、エリフォーヌは時折質問をしたり、相槌を打って同調してくれたりと、その日朝イチで来訪したエリフォーヌだったが、気付けば昼食時にもなっていた。
二人が部屋に篭り、なかなか出てこないのを心配して、マリィの父であるナリッシュ男爵が、声をかけた時には、エリフォーヌからの提案で、マリィは公爵家が運営する商会で、アドバイザーとして働く事が決定していた。




