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あなたと私の分岐点  作者: maruko


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 エリーゼは、翌朝体中の痛みで目が覚めた。


 偶々そこにいたエリーゼの上に降ってきたマリィ。そのマリィの体を意図せず支えたエリーゼは全身打撲だったのだが、昨日王宮の医務室では薬が効いて全く痛みを感じていなかった事に、起きてから気付いた。


「普通、入院でしょ?」


 王宮では病気に王族以外が罹ると、出なければならないが、怪我だとそれには当て嵌まらない。だが、手厚く看病などしてはくれないのだ。


 エリーゼの家は男爵家。

 王都からは領地は遠くタウンハウスもない。

 男爵家にいるエリーゼの侍女を呼ぶ事は出来ない。


 エリーゼはどうしたものかと頭を抱えてしまった。

 この全身の痛みで、着替えも食事もままならないのに、賄いを食堂に取りに行く事も、湯浴みも一人ではできない。

 こんな状態で、この部屋に放置されてしまったら、流刑の前に餓死してしまう。


「詰んだー目覚めたばかりで人生詰んだー」


 朝っぱらから嘆くエリーゼ。

 時計を見るとまだ朝の5時だ。


 だがよく考えると昨日は夕食も食べていない。

 体の痛みも辛いけどお腹も空いて堪らない。


 どうして昨日痛み止めが効いている間に、色々と手配して置かなかったのだろう。

 悔やんでも、昨日はそんな事を思いつきもしなかったのだから、昨日のことを考えるだけ無駄というものだ。



 起きたところで体が痛くてベッドから出る事もできない。

 じゃあ空腹を紛らわすために寝てしまおうと思っても、同じく痛くて寝られない。


 これって⋯⋯。


 エリーゼに転生しただけで、流刑も決まっているのに、こんなところで燻っていたら挽回すらもできない。


 そんなこんなをずっと考え続けていたら、自然と涙が出てきた。


 怪我をして動けないのに、誰も助けてくれない事が、今までの自分の行いのせいだと理解はしている。

 自業自得と言われても仕方がないかもしれないけれど、放置されての餓死は嫌だ。


 衣里の時に一度、両親に3日間放置された事があった。両親はお互いに相手が家に居るものと思っての身勝手な放置。

 その時幼かった衣里は、為すすべもなく冷蔵庫も冷凍室しか届かない。冷凍食品をそのまま齧って空腹を紛らわせたが、そのうちお腹が痛くなりトイレに篭もる羽目になった。

 あの辛さは味わった者しか分からない。


 その時の事を思い出し、エリーゼは益々涙が流れる。


 その時ノックの音がして、涙声が出ないように返事をすると、中に入ってきたのは医務室にいた看護メイドだった。






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