はじめての事情聴取(2)
「君は、
その召喚体と……。
いったい、
どういう契約をしたんだ?」
(いや、オレが聞きたいんだけど……)
翔は胃を押さえたくなる衝動を必死に堪えた。
「えっと……。
オレも正直、
よく分かってなくて……」
正面の男は表情を変えない。
「分からない、とは?」
「その……。
急に現れて、
契約してほしいって言われて……」
「契約内容は?」
「……分かりません」
「召喚体の名称は」
「知らないです……」
「所属世界、種別、目的は?」
「いや、その……。
そこまで聞けてなくて……」
男達の視線が、
さらに鋭くなる。
(そんなの分かるわけないだろ……!)
翔の額に汗が滲む。
助けを求めるように、
思わず後ろへ視線を向けた。
「……!」
青年が、
なぜか少し嬉しそうに目を瞬かせる。
完全に“頼られた”と思っている顔だった。
(いや今そういう空気じゃねぇからな!?)
翔の心のツッコミも虚しく。
青年は一歩前へ出る。
「では、改めまして」
会議室の空気が、
一気に張り詰める。
資源調達部の隊員達が、
一斉に身構えた。
だが青年は、
そんな空気を気にした様子もなく、
穏やかに一礼した。
「オレはリオン。
先ほど、
マスターと契約を結ばせていただきました。
以後、お見知りおきを」
にこやかな声音だった。
まるで、
この場の緊張など見えていないみたいに。




