乱入者(中半)
「全員、その場から動くな!!」
怒号が、食堂に響き渡る。
重装備の男たちが、一斉にフロアへ広がった。
黒を基調とした装備。
腰には魔導兵装。
そして、腕には東和重工・資源調達部の腕章。
(資源調達部……!)
ダンジョン資源の回収や危険区域への潜行を担う、東和重工の実働部隊。
数人が周囲の社員を避難させる中、残った隊員たちの視線が、一斉にこちらへ向く。
「対象確認!」
「中央、獣人型召喚体一体!」
「研究開発部・高城社員を確認!」
「対象と近接状態!」
次々と飛び交う声。
食堂の空気が、一気に張り詰めていく。
(……そりゃ来るよな)
あの警報だ。
来ない方がおかしい。
問題は――
(どう説明するんだよ、これ……!)
何一つ説明できる気がしない。
だが、資源調達部に状況説明をしている余裕などなかった。
「一般社員の避難を最優先!」
「危険対象の制圧を開始する!」
「可能な限り、高城社員を巻き込まないよう注意しろ!」
(は……!?)
思わず息を呑む。
待て。
今、“可能な限り”って言ったか?
隊員たちが一斉に魔導兵装を構える。
展開される術式。
増幅されていく魔力。
食堂の空気が、さらに張り詰めた。
(お、おい待てって……!)
制止する間も与えられない。
次の瞬間。
火炎弾が迫る。
氷槍が空気を裂き、
さらに雷撃が閃光を撒き散らしながら、二人へ襲いかかった。
翔が反射的に目を閉じかけた、その時。
隣で静かにしていた青年が、翔を隠すように前へ進み出た。




