4/8
乱入者(前半)
「これから、よろしくお願いしますね。マスター」
(……は?)
思考が、ようやく追いつき始める。
今、確かに“マスター”と呼ばれた――。
(いや、待て)
まだ契約した覚えはない。
了承した記憶もない。
……なのに。
(契約、成立してる……?)
遅れて、焦りが押し寄せてきた。
(ちょっと待てって……!)
何が起きた。
そもそも、何をされた?
混乱したまま隣を見上げると、彼は静かな表情のままこちらを見つめている。
だが。
わずかに口元が緩んでいた。
どこか、満足そうに。
「どうしましたか、マスター?」
どこか嬉しそうな声音だった。
(どうしましたか、じゃねぇだろ……!)
反射的に口を開く。
「お前、何を勝手に――!」
その時だった。
――ドンッ!!
食堂の扉が乱暴に開かれる。
なだれ込んできた複数の人影は一斉に周囲へ鋭い視線を走らせ、言い放つ――。
「全員、その場から動くな!!」




