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テレビを見よう(2)


 その後。


 リオンはなんだか、

 スッキリしたような顔をしていた。


 そんな様子を、

 怪訝な顔で横目に見ながら。

 なんとなく、

 チャンネルを回していると――


『異界グルメ特集!

 まるでファンタジー!

 不思議な果実SP!』


 派手なテロップと共に、

 今度は異世界特番が始まった。


『月の秘宝、ルナベリー!』


 画面には、

 見たことのない果物が映し出される。


 青く透き通った果肉。

 まるで、宝石みたいな見た目だ。


「うわ……、なんだあれ」


「……珍しいですね」


 映し出された果物に、

 リオンが少しだけ目を留める。


「知ってるのか?」


「はい。

 かなり珍しいモノなんですが……。

 よく見つかりましたね」


「へえ」


『まるで、天然のスイーツ!』


 出演者が。


 青く透き通った果肉へ、

 思い切りかぶりついている。


「……スイーツってことは、甘いのか?」


「結構甘いですよ?」


 そう言って。

 リオンが、こちらへ顔を向ける。


「でも、後味はさっぱりしてます」


「なんか、普通に美味そうだな」


「はい。

 これは結構好きな方でした」


「そうなのか……。

 なら今度、

 スーパーで見つけたら買ってみるかな!」


「……スーパーにはないと思います」


 なんだか、

 さっきまでの空気が

 和らいだ様な気がした。


 その時。


 テーブルへ置いたスマホが震えた。


「ん?」


 画面を見る。


『研究開発部 佐伯部長』


「うわ、部長だ……」


 休日の夜に、

 急な会社からの連絡。


 少しだけ嫌そうな顔で、

 メッセージを開く。


『高城。

 明日からは、

 召喚獣同伴で出社してくれ。』


「……ふん」


「何か、ありましたか?」


「……会社な。

 明日からリオンも連れて来いって」


「オレもですか?」


「ああ。

 ついに初出勤だな……」


「そうですね。

 取り敢えず頑張ります」


「ハハ。

 まあ、気楽に行けば大丈夫だろ」


 テレビでは。

 今度は、

 別の果物が映し出されていた。


 少しの沈黙。


「……はあ。働きたくないなぁ」


「フフフ。

 一緒にがんばりましょうね」


 他愛もない話をしながら、

 日曜日の夜は。


 少しずつ、更けていった。

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