テレビを見よう(1)
ピザを食べながら。
なんとなく、
チャンネルを回していると。
『天城響&ガルド!
世界ツアー密着SP!』
派手なテロップと共に。
番組の雰囲気が、少し変わった。
「お」
思わず、声が漏れる。
画面には。
巨大な会場に、
埋め尽くされた客席。
そして歓声の中。
派手な衣装を纏った黒髪の男『天城響』が、
ステージの中心に立っていた。
スポットライトを浴びながら。
マイクを握る姿は、
どこか現実離れして見える。
「……カッコいいな」
そして、その隣には。
派手な照明の中、
もう一人の男が並ぶように立っている。
天城と同じ派手な衣装。
赤い髪に、鋭い目付き。
そして。
尻尾と、獣の耳――。
一目で、
高位の召喚獣なのだと分かる存在だった。
「……なあ、この相方。
ガルドって言うんだけど」
テレビを見ながら続ける。
「天城の召喚獣でさ。
リオンと同じ、高位なんだって」
「……そうでしたか。
オレ以外にも、こちら側へ来てる方が……」
「なんか、
あっちでは騎士団に所属してたらしいぞ」
「……騎士団ですか?」
「ああ。
向こうの騎士団。
公式でも言ってたな……」
画面の中では。
ガルドが、
天城の隣で歓声を浴びていた。
「騎士団とか。
ファンタジーって感じで、カッコいいよな」
そこで。
ふと、気になった。
「そういえば。
リオンって、向こうで何してたんだ?」
その何気ない質問に。
リオンの動きが、少し止まる。
「……オレですか?」
「ああ」
少し間。
「そうですね……。
こちら側風に言うと、お役所勤め……
みたいな感じですかね」
「役所?」
「はい。
まあ、あまり面白くない仕事でしたよ」
そう言いながら。
リオンが、カケルの顔から視線を逸らした。
「へえ。なんか意外だな」
「そうですか?」
「ああ」
少し笑う。
「お前。
召喚した時、
めちゃくちゃ強そうだったからさ」
一瞬。
リオンの目が少しだけ揺れる。
「……まあ。
昔のことは、置いておきましょう?」
そう言って。
逸らした視線が、伏せられる。
……ヤラかしたか?
その様子を見て。
次の言葉を探していると――
「……でも。
騎士団には
所属していませんでしたけど――」
伏せられていた視線が。
ゆっくりと、カケルを捉える。
「マスターを
お守りする力なら。
ちゃんとありますから――」
「え……、いや……」
急なことに。
言葉が、詰まってしまう。
「……ですから。
安心してくださいね……?」
そう言って。
少しだけ、微笑まれてしまった。
「……い、いきなりどうしたんだよ?」
「フフフ。
なんとなくですけど……。
言っておきたくなりました」




