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掃除のあとは…

 片付けを続けていくと。

 気付けば、外はすっかり暗くなっていた。


「……終わった」


 思わず、息が漏れる。


 部屋は、

 朝とは見違えるほど綺麗になっていた。


 床が見える。


 棚も整理されている。


 よく分からない山も、かなり減った。


「だいぶ、片付きましたね」


 リオンが、

 部屋を見回しながら言う。


「……半分くらいお前のおかげだな」


「半分ですか?」


「八割かも」


 そのやり取りに、

 リオンの尻尾がわずかに揺れた――。


 そんな様子を眺めながら。


「晩飯、どうするかな……」


 疲れた頭で考える。

 正直、作る気力はもうない。


「何か、作りましょうか?」


「いや。

 今日はもう、楽する……」


 スマホを取り出す。


「ピザでいいか?」


「ぴざ?」


 少しだけ、不思議そうな顔をした。



 しばらくして、インターホンが鳴る。


「来た」


 玄関で支払いを済ませると、

 受け取った箱を持ってリビングへもどる。


 テーブルに置かれた箱を見ながら、

 リオンが少し目を丸くした。


「これが、夕飯です?」


「疲れた時は、

 こういうのが旨いんだよ」


 箱を開けた瞬間。


 ふわりと、

 チーズの匂いが広がった。


「……おお」


 匂いにつられて、

 リオンの耳がぴくりと立つ。


「熱いから、気をつけろよ」


 適当にテレビをつけながら、

 二人でソファへ座る。


 テレビでは、

 休日のバラエティ番組が流れていた。


「いただきます」


「……いただきます」


 一口。


「おいしいです……」


 珍しく、

 少しだけ声が弾んでいた。


「だろ?」


 その日。


 リオンはまた一つ、

 現代の味を覚えてしまったようだ。

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