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料理をしよう(1)


 帰宅から少し経ち――。


「疲れた……」


 翔はソファへ身体を預けながら、

 小さく息を吐く。


 今日は色々ありすぎた。

 正直、もう何もしたくない。


 すると。


 少し離れた場所から

 様子を見ていたリオンが、

 静かに近付いてくる。


「……マスター」


「ん?」


「少しは、休めましたか?」


「あー……

 まあ、それなりに」


 そう答えると。


 リオンの視線が、

 机の横に置かれた買い物袋へ向いた。


「でしたら」


 少しだけ、

 遠慮がちに口を開く。


「一緒に、料理しませんか?」


「料理?」


「せっかく

 野菜も買いましたし」


 少し間を置いて。


「……オレも、覚えたいですし」


 一瞬。

 スーパーでのやり取りが頭をよぎる。


 そして。

 妙に真面目な顔をするリオン――。


「まあ……

 簡単なやつなら」


 そう言うと。


 少しだけ、

 リオンの表情が緩んだ。


「ありがとうございます」


「そしたら、

 さっき買ってきた焼きそばにでもするか」


「焼きそば?」


「野菜切って、炒めて、

 最後に麺入れるだけ」


 少し考えて。

 リオンが小さく頷く。


「……なんとか、なりそうです」


「その自信、どっから来るんだよ」


 そう言いながら、

 二人で台所へ向かい始めていた。

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