買い物しよう(スーパー)
その後。
簡単な買い物を済ませた帰り道、
二人は駅前のスーパーへ
立ち寄ることにした。
「晩飯、なに食いたい?」
「晩御飯ですか?」
「家に何もなかったからさ」
「ああ……」
リオンが、
少し納得したように頷く。
「確かに、
冷蔵庫ほぼ空でしたね」
「気付くと、
いつも空になってるんだよな」
そう言って、
翔は笑ってみせたが――。
「それ……、
大丈夫なんですか……?」
と、少し困ったように
眉を下げられてしまった――。
そのまま。
まだ何か言いたげな目を
向けてくるリオンと共に、
二人は店内へ向かう。
すると。
「これ、全部食べ物なんです?」
「一応な」
「すごい量ですね……」
並ぶ食材を興味深そうに見ながら、
リオンはあちこちへ視線を向けている。
どうやら、
興味は食材へ移ったらしい――。
ふと。
リオンの視線が、
翔の持つカゴへと落ちる。
レトルト。
冷凍食品。
カップ麺。
肉。 ……以上。
また少しだけ、
リオンの表情が曇る。
「……野菜、買わないんですか?」
「ん?」
「なんか、
体に悪そうなものしか
入ってないですけど」
「別に……、
こんなもんだろ」
「それで、大丈夫なんです?」
「多分……」
少し沈黙。
「……いや、
ちょっと心配になりますよ」
少しだけ考え込む。
そして。
「……なら、
オレ料理覚えます」
「は?」
「ちょっと、放っておけませんので」
「いや、そこまでしなくても――」
「します」
きっぱりと、言い切られる。
「健康管理も、
一応召喚獣の仕事ですし」
妙に真面目な顔で言われてしまう。
「……召喚獣の仕事って、絶対ウソだろ」
何か言い返そうとして。
けれど。
結局、言葉を飲み込む。
「これでいいか?」
罪悪感から、
適当に野菜を追加すると。
リオンが、
少しだけ安心した顔をした。
◇
外へ出る頃には、
空は少し赤くなり始めていた。
袋を分けて持ちながら、
二人並んで帰路を進む。
気付けば。
今朝より、少しだけ。
距離が近くなっていた。




