はじめての事情聴取(4)
(命令権……?)
翔は思わず言葉に詰まった。
そんなものが自分にあるとは、
正直まったく思っていない。
だが。
食堂での出来事を思い返す。
『もういいから!』
そう叫んだ瞬間。
あの重圧は、
本当に一瞬で消え去った。
(……いや、でも偶然じゃないのか?)
翔が答えに詰まっていると。
「ありますよ?」
後ろから、
あっさりした声が返ってきた。
(お前が答えるのかよ!?)
数人の隊員が、
わずかに身構える。
リオンは特に気にした様子もなく、
穏やかな調子で続けた。
「それに命令っていうか、
マスターからのお願いな訳ですし……。
マスターからお願いされて、
嫌な訳ないじゃないですか」
数人の隊員が、
目に見えて表情を変えた。
白髪の男の視線が鋭くなる。
「……それは絶対か?」
「はい」
迷いのない返答だった。
誰も、
すぐには口を開かなかった。
「つまり」
低い声が響く。
「高城くんが
妙な考えを起こさない限り、
現時点では問題ない……
そう判断していいな?」
(いや待て待て待て……!
なんでそうなるんだよ!?)
翔は反射的に口を開く。
「い、いや!
オレそんな危ないことしませんから!」
「そうですね。
マスターに
ちゃんと首輪をつけられてる――
とでも思ってください」
リオンは、
さらりと言ってのけた。
(言い方ぁ!?)
翔は思わず頭を抱えた。
だが。
資源調達部の空気が、
さらに張り詰める。
どうやら。
リオンだけでなく、
翔まで警戒対象になってしまったようだった――。




