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第80話 狼獣人(オス)

「……なんだと!?」


 ルナがヴォルフの想いを一刀両断に切り捨てた。


「そ、そんな馬鹿な……き、貴様ぁ! ルナが……俺に従順で可愛かったあのルナが……こんな事を言うはずがない!! 貴様、俺のいない間にルナにいったい何をした!? おおかた発情期につけ入ってルナを襲っただけの関係だろうに……はっ!? そうか! 魅了(チャーム)か!? 精神支配系の何かだな!?」


 ナニを、と言われればエロエロ、いや色々と致しておりますが……従兄弟とは言え、平穏な暮らしが出来る環境が整いしだい結婚する約束をしている僕達の仲をとやかく言われる筋合いはないよね。


「ルナと僕は心から愛し合っているだけだが」 


「それはタクミ=トクモト、貴様が一方的、病的なまでにルナのことを思っているだけだろうが!」


「タクミ様の仰る通りですよ。私達は相思相愛なんです。にい様と一緒にしないでください。シスコンきもいです」


「ぐっ!? お前が俺の事をそんな風に思っているはずがない! はっ!? そうか、わかったぞ!! 略奪されたのに俺の事を愛してしまう、というプレイをより楽しむためだな! ……確かにそれは燃えそうだ……イイ、良いなそれは」


 なんかおかしな方向に突き進んでいるみたいだけど……大丈夫か、この人? それにしても、トンチンカンな事を喚き散らしてかなり動揺しているだろうに、奴の重心は一ミリもブレていない。一切隙がないというのが果てしなく不気味だ。


「恥ずかしいのでもう口を開かないでください。シスコンきもいです」


 ルナの口撃にぶった斬られて意気消沈していたヴォルフの表情が、唐突にがらりと変わる。


「クックックッ、ルナの俺への愛情も確かめられたし、そういうことなら予定通りに進めるか。一つ重要な事を教えておいてやろう。訳あって(・・・・)一足先に俺が一人で先行して接触したが、今、猟犬(ハウンド)は五十人規模の部隊をこの辺り一帯に展開しながら、二日で追いつくところまで聖女を追って来ている」


 ヴォルフが言いながらニタニタとにやけ始めた。


「お前らの移動速度では俺からは絶対に逃げ切れないのはもう分かっているだろう? そして仮に……仮にだが、お前達が俺を撃退したとしても、俺からの連絡が半日以上途絶えると直ちにゼニス王国へと報告がいき、それと同時にお前らの事も地の果てまでも追跡が続いていく手筈になっている」


「……にい様一人で先に来たのは、私だけではなく、ミサキさんを犯しあわよくば手籠めにして、こっそりとにい様のハーレムに加えるため……ですか……」

 

 ルナの推測に対して否定も肯定もせずに肩をすくめ、馬鹿にしたように笑うヴォルフ。


「お前達はすでに詰んでいるのさ」


「……シスコンきもいです」

「……ただの変態。あなた、きっもいよ」


「結局のところ……お前らの意思など関係ない。そんな弱そうな男を選んだお前たちが間違っているのさ。この世は弱肉強食。男は殺し、女は二人まとめて俺のハーレムに加える。それだけだ」


 開き直ったのか、それとも受け入れられない現実に壊れてしまったのか……ルナが自分の事を好いているという前提と矛盾した事を淡々と言いながら、殺意を膨れ上がらせるヴォルフ。


「獣人の男には気を付けろ」というミケさんの言葉が瞬間的に脳裏に浮かんだ。


 先程から神眼で鑑定している圧倒的なステータスとレベル。加えて強者の余裕という何事にも動じなさそうな精神的なタフさ。


 明確に敵対行動を取られた途端、死を予感して背筋に嫌な汗がじわじわと流れ出てきた。


 ヴォルフが眼帯を下ろし再び両目を覆うと眼帯に描かれた『目』と視線が合った。ただの絵のはずなのに、僕の内臓を直接覗き込まれているような不快感に思わず胃がせり上がる。


「ククッ……『きもい』か。照れ隠しにしては過激だが、そこまで俺を意識しているとはな……。安心しろルナ、その男をバラバラにした後で、たっぷり可愛がってやるからよ」


 


 ――――――――――――――――――――――


名前:ヴォルフ=ハウンド

種族:狼獣人

魂の位階(レベル):60

筋力:16

耐久:15

敏捷:20

器用:8

知覚:12

知力:2

精神:2

運 :4

歪み耐性:6


職業:暗殺者(アサシン)

職業熟練度:15

スキル:アイテムボックス、界渡り、双剣術、短剣術、剣術、体術、受け流し(パリィ)、二刀流、影縫い、絶牙連斬、点穴突き、咆哮、断核の嗅覚(コア・スナイプ)心眼(マインド・アイ)、隠形、縮地、気配感知、追跡、罠解除、強制剥奪(スナッチ)急所識知(キル・ノレッジ)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

双剣士 職業熟練度:16

軽剣士 職業熟練度:14

体術士 職業熟練度:14

斥候(スカウト) 職業熟練度: 14

歪界者ヴァリアント 職業熟練度:28

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


装備:黒曜の牙オブシディアン・ファング

  :猟犬の爪(ハウンド・ダガー)

  :影纏の猟衣(シャドウ・スーツ)

  :無音靴

  :忌避の封眼(アヴォイド・アイ)


称号:ダンジョン攻略者、ゼニスの猟犬


――――――――――――――――――――――


黒曜の牙オブシディアン・ファング

四角い(つば)に肉厚の直刀と、多用途に使える漆黒の忍者刀(ショートソード)。斬れ味鋭く光を反射せず、斬られた者の「感覚」を麻痺させる毒を常に帯びている。


猟犬の爪(ハウンド・ダガー)

峰側に(くし)型の切り欠きのあるソードブレイカー状の短剣。魔狼の爪から作り出されたこのダガーは、切った相手から「界理(ロゴス)」を吸い取る効果がある。


影纏の猟衣(シャドウ・スーツ)

深淵のダンジョンに生息する「シャドウ・スパイダー」から採取される極細の糸で織られた服。鋼鉄並みに頑丈でありながら、羽毛のように軽い。物理的な光を吸収する性質があり、視認が難しくなる。暗闇の中では輪郭が完全に消失する。


忌避の封眼(アヴォイド・アイ)

視覚情報を100%遮断する代わりに、界理(ロゴス)歪み(ヴァル)の揺らぎや生物の体温・心音・匂いを含めた他の四感を増幅して脳へ流し込む魔導具。「心眼」を研ぎ澄ませるための、ハウンド一族の家宝。






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