2話
「やっぱり出られない!」
「ここ、あなたの部屋。好きに使って」
と、目を覚ました部屋で言われたものの。何も本当に一緒にいる必要なんてない。
とりあえず逃げればいいんだ。町まで行けば、俺よりも知識も実力もある冒険者が沢山いる。悔しいけど、その人たちを頼れば。俺にかけられたこの変な魔法をどうにかして、あいつを捕らえることができるかもしれない。
そう考えてすぐに部屋を飛び出し、玄関を開け、準備不足も甚だしいが丸腰で小屋の周りに刺さった柵を飛び越えんとした瞬間。
「いってぇ!」
俺は盛大になにかに顔をぶつけて尻餅をついた。
なんだ、何が起こった?
柵を掴んで立ち上がろうとした時、俺は違和感に気づいた。
……掴めない?
いや、触ることは出来る。だが、つかむことが出来ない。表面を触ることは出来るのだが、作の外側まで掴みかかることが出来ないのだ。
なんだこれ……なんなんだこれ!なんというか、気持ち悪い!
「何、してるの?」
ナンダコレ、ナンダコレ!と一人で騒いでいると魔女が来た。
「……脱走」
「脱走?……ふふっ」
「何がおかしいんだよ!」
「さっきも言った。私の魔法、くっつけたりはなしたり。『隔離』この家と外の繋がりを無くしてる」
「はぁ?!」
なんでもありかよこいつの魔法!やっぱり魔女って無茶苦茶じゃないか!
「つまり俺はここから出られないと?」
「……ずっと一緒」
「って、ふざけるなよ!何なんだよもう!いっその事殺すなら殺せ!」
どうせあそこで落とした命だ。こんな魔女の遊びに付き合わされるなら……
パシッ
またもや右頬に痛みが走る。
俺は魔女にビンタをされていた。
「あなたは『生きたい』のではなかったの?」
「……こんなこと、生きるも死ぬも変わらない。閉じ込められたら……もう夢も…じいちゃんに顔見せることだって……」
「夢?」
「……仇を討つこと」
胸の奥にしまっていた、一つの夢……というか俺の生きる目標。
両親の仇をうつこと。
村のみんなやお世話になっている人々には「一流になって有名になる」なんて馬鹿みたいに単純なこと言ってるけどまぁ、それも踏み台みたいなもの。
俺の両親も冒険者だった。まぁ、俺が生まれる前の話なんだけど。
ランクは共にBランク。一人前と言われるBランクの中でも腕の立つ、Aランク候補とも言われていたという。
小規模なクラン(冒険者における、同じ目的を胸に集まる集団のこと)のマスターとサブマスターだったともきいたことがある。
つまりまぁ、引退していたとはいえ俺からすれば自慢で大好きな人たちだった。
しかし、「父さんと母さんの息子なんだから、まぁ、社会勉強だ」と両親に連れられて入った村から歩いて2日の森の奥で事件は起こった。
何があったのかなんて、幼かった俺には分からなかった。
ただ黒く大きなドラゴンが現れ、いつも自慢し愛用していた大剣ごと父さんを飲み込み、母さんが
「愛する人を守り抜いて、幸せに生きて」
と涙ながらに俺を闇魔法で隠してくれたことだけは覚えている。
意識を失った俺は、何故か村のそばに倒れていたらしい。
幸いにも村は襲撃されることも無く、それどころかあの黒いドラゴンすら見たものはいないという。
ただ、俺の両親は二度と俺の前に現れてはくれなかった。
しかし、俺はあの最悪の記憶の中で思い出してしまったのである。
黒いドラゴンに、首輪が付いていたことを
毎日投稿心がけるために文字数を極力減らし区切っているのですが、やはり文字数多い方がいいですかね?
感想、指摘お待ちしております。




