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好きって言えなかったけど、それでも私は  作者: ぴぽこ
日常編

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第2話 放課後の約束

キーンコーンカーンコーン


授業終了のチャイムが鳴る。


やっと今日の授業が終わった〜。


「お疲れ〜。数学難しくなかった?」


軽く伸びをしていると、心路こころが話しかけてくる。


それだけで、今日一日の疲れが吹き飛ぶ。


というか、授業終わって一番最初に話しかけたのが私ってことは……

もしかして脈アリ!?……と、0.1秒だけ期待してすぐに捨てる。


別に心路にとって私は、話しやすい友達くらいの認識なんだろうな……


「そうだよね。急にルートとかいうやつが入ってきて難しくなったよね〜。

そういえば、今日は一回も寝てなかったじゃん」


「え、よく見てるね。ふふふ、頑張ってたでしょ」


そりゃ見てるよ。

好きな人のことだもん。


「うん、えらいえらい」


そう言って、私は合法的に心路の頭を撫でる。

いや〜、好きな人が同性で良かった〜。


すると、心路が、へにゃっとふやけた笑顔になる。

ズッキューン。

……こ、殺す気か!?

心臓がどくどくと強い音を立てている。


「どしたの、顔赤いよ?」


……いや、お前のせいだよ!!

とはもちろん言えるわけもなく、


「そ、そう?」


そう言って視線を逸らした瞬間、心路が私の額に自分の額を当ててきた。


か、顔が……ち、近いデス……


「やっぱりちょっと熱あると思うよ。家帰ったらゆっくり休み」


「う、うん。ありがと」


……多分、体が熱いのは病気のせいじゃないと思うんだけど。


とりあえず、顔を洗ってこの熱、冷まさないとな……


「ちょっと、お手洗い行ってくる」

そう思い、私はトイレに行くことにした。


「じゃあ、私も行こ〜っと」


少し背の低い心路が、上目遣いでそう言った。


そして5分後。私はトイレの個室で、しばらくうずくまっていたとさ。



※※※



やっと少しずつ熱が引いてき、平常心を保てるところまで落ち着いた。


私はトイレの水を流して個室から出る。そして、手を洗っている時にちらっと鏡をチェックする。

大丈夫、顔はもう赤くないな。


心路は「お腹が冷えてて時間かかるから先に教室帰っといて」と伝えているので先に教室へ戻っていた。


私も教室へ戻ると、もう掃除が始まっていた。


急いで掃除箱からホウキを取り出す。


するとまた、心路が話しかけてきた。


「そういえば、来月は修学旅行しゅうがくりょこうだね」


「そうだね。楽しみ〜」


修学旅行。

心路と同じ部屋になれたらいいな〜……なんて、つい考えてしまう。


そのとき。


「りかっち、私と同じ部屋にしない?」


「え?」


あれ?聞き間違いか?

私が心路と同じ部屋に……?


もしかしてこれは夢なのか?

ちょっぴりほっぺをつまんでみる。痛い。


そんな変なことをしていたら心路がもう一度言ってくれた。

「だ、だから……りかっちと同じ部屋だったら嬉しいな〜って」


もう、これは聞き間違えではないよね。

私の心が心の中で歓喜かんきまいを踊る。

きゃ〜〜〜!!

神様、ありがとうございます。

来年の正月のときはいつもより多めにお賽銭さいせん入れておきます。


内心では大はしゃぎしているが、態度は冷静に……なるわけもなく。


気づけば、私は心路を抱きしめていた。


「やった〜!! じゃあ一緒の部屋になろ〜!」


人生史上最高の笑顔をしていた気がする。


「うん、じゃあ約束ね」


心路も嬉しそうに笑った。

あれ、心路の顔も少し赤いような……。


こうして今日も、いつも通りの一日が終わったのであった。

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