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好きって言えなかったけど、それでも私は  作者: ぴぽこ
修学旅行編

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4/10

第3話 修学旅行の始まり

ふふふ……


自然と笑みがこぼれる。

え、なんでこんなに楽しそうなのかって?


それはね、いよいよ今日から修学旅行だからだよ!!

しかもしかも、約束通り、ちゃんと心路と同じ部屋になれました〜!!


本当にめちゃくちゃ嬉しいです……ありがとう神様。


ということは、心路と一緒に遊べるし、風呂も入れるんだ〜。

べ、別に下心とかはないから……ど、同性だし……


そんなことを考えながら、私は集合場所の駅に立っていた。


今日は新幹線も発着する大きな駅で集合だ。

行き先は……1家に1台たこ焼き器があると言われている大阪!!


楽しみすぎる〜、……と思っていると、


「りかっちおはよ〜」

後ろから声が聞こえた。


こ、この声は……

一瞬で思考が現実世界へと戻る。


心臓がまた、どくどくと鳴り始めた。

ば、バレないように……冷静に、冷静に……


「おはよ〜」

よし、挨拶成功。


振り向くと、やっぱりそこには心路こころがいた。


「ふあぁ〜」

心路が大きなあくびをする。


「あれ、寝不足?」


「うん。今日が楽しみすぎて、昨日なかなか寝付けなかった」


え、心路と同じ部屋になれるのが楽しみすぎて、 幸せな気持ちでぐっすり眠っていた私は浅はかなのだろうか。

……でも、心路も楽しみと言ってくれてちょっと嬉しかった。


「恋バナするためにブルー・レッドとか持ってきたほうが良かったかな」

心路がぽつりと呟く。


ちなみにブルー・レッドとは、栄養ドリンクのことだ。


「そういえば、心路って栄養ドリンク飲まないよね」


「うん、まあね。やっぱりカフェイン入ってるから一応ね。 あ、ごめん。今の忘れて」


心路が急に慌てる。


「ん?」


なんか変なこと言ってた?


「別にカフェインが入ってるから飲まないって普通の理由だと思うけど」


「そっか〜……そうだよね〜」


心路、どうしたんだろう。


そう思ったけれど、修学旅行が楽しみすぎて、その疑問はすぐに頭の中から消えてしまった。



※※※



「よし、全員集合したな」


担任の先生が点呼を取る。


「では、今から新幹線に乗ります。

23番乗り場から出発するのぞみ221号ね。

座席はしおりの通りに座ってください」


私たちは新幹線に乗り込む。

別に鉄道が好きなわけじゃないけど、新幹線に乗るとちょっとテンションが上がる。


座席は出席番号順だったので、心路とは隣になれなかった。

でも、右側の一番窓側。これはかなりの大当たり席だ。


富士山とか見えるかな〜。


窓の外を見る。

空は雲一つない……と言いたかったけど、実際には雲しかない曇天どんてんだった。

もう少し天気が良かったら、景色も綺麗きれいだったんだろうな。


小さくため息をつきながら、家から持ってきた文庫本を開いた。


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