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スローライフを目指したはずが女神からもらった無自覚フェロモンのせいで最強ハーレム帝国が出来上がった  作者: 玄遥斗


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第3話 朝の村と、忍び寄る影

朝の柔らかい光が部屋に差し込み、俺はゆっくり目を覚ました。

体は軽いが、昨夜の軽い頭痛がまだこめかみのあたりに残っている。

ベッドから起き上がり、窓を開けると新鮮な朝の空気が流れ込んできた。

鳥のさえずりと、遠くで村人たちが畑仕事をする声が聞こえる。

のどかな光景だ。これが俺の望んだスローライフの始まりだと思いたい。


部屋を出ると、リリアがちょうど洗濯物を干しているところだった。

朝陽を浴びた金色のポニーテールが輝き、白いワンピースが汗で軽く肌に張り付いている。

胸の膨らみや細い腰のラインが、朝の光に照らされて柔らかく浮かび上がっていた。


「おはようございます、悠真様! よく眠れましたか?」


彼女は俺を見た瞬間、頰をぱっと赤らめ、瞳を潤ませた。

甘い汗の匂いが朝風に乗ってふわりと漂ってくる。


「ああ、おかげさまでぐっすりだ。リリアも朝から働いてるんだな。偉いよ」


「えへへ……悠真様に褒められると、なんだか力が湧いてきます」


リリアは照れくさそうに笑いながらも、俺の顔をじっと見つめてくる。

視線が熱くて、まるで俺の全てを吸い込もうとしているようだ。


朝食の席では、昨夜の残りのシチューを温め直したものが並んでいた。

村長のガルドが嬉しそうに笑う。


「悠真さんのおかげで、昨夜のシチューが本当に美味しくてな。

今朝も少し味付けしてもらえると嬉しいんじゃが……」


「もちろん。少し胡椒を足してみましょうか」


俺は軽く調味料を加えながら、村長や村長の妻であるエレナ、娘であるリリアと他愛ない会話をした。


「悠真さんみたいな若い人が来てくれると、村が明るくなるわねえ。

リリアも嬉しそうじゃろ? ふふっ、顔が真っ赤よ」


と茶化してくる。リリアは「もう、お母さん!」と頰を膨らませながらも、俺の隣を離れようとしない。


朝食後、俺は村を少し散策することにした。

スローライフをするなら、まずはこの村のことをちゃんと知っておきたい。

村人たちと挨拶を交わしながら歩いていると、畑の近くで若い男二人が深刻な顔で話しているのが見えた。


「なぁ、昨夜もまた森の奥から狼の遠吠えが聞こえたぞ……今年は群れが大きいらしい」


「畑が荒らされたら今年も食い扶持が厳しくなるな……」


俺が近づくと、一人の黒髪の青年が気づいて声をかけてきた。


「あ、旅の人だよな? 俺はトム。この村で畑仕事してる。こっちは親友のカイル」


隣の茶髪の少しがっしりした男が、照れくさそうに頭を掻いた。


「カイルだ。よろしくな、悠真さん……だったよな?」


俺は微笑んで挨拶を返した。

さらに少し離れたところで洗濯物を干していた中年女性が、笑顔で近づいてきた。


「まあ、悠真さんも一緒? 私はマリアよ。この村の世話焼き担当みたいなもん。リリアの面倒もよく見てるの」


こうして、村人たちとの距離が少しずつ縮まっていった。


「さっき聞いちまったんだが、魔狼の群れが出てるって本当か?」


「ああ。毎年この時期に少し出るんだけど、今年はちょっと様子が違うみたいで……

村長も心配してるみたいだ」


俺は軽くため息をついた。


(のんびりしたいのに、いきなり魔物か……面倒くさいな)


でも、この村が荒れたら俺のスローライフも台無しになる。

結局、放っておけない。


「ちょっと森の端まで見てみようか。みんなも一緒に来てくれる?」


村の若い衆数人と一緒に森の端まで行くと、確かに木々の間に灰色の影がちらちらと動いているのが見えた。

距離はあるが、普通の狼より明らかに大きい。

俺は迷った末に、鑑定EXを軽くだけ発動させた。


【魔狼(中級魔物・群れで行動・警戒心が非常に強い)】

弱点:

不規則な高音

強烈な植物系の臭い

明るい火と光


情報が流れ込んできた瞬間、ズキンと後頭部に痛みが走る。

軽い目眩と倦怠感が体を襲う。


(……やっぱり一瞬でも負担が来るな。長くは使えない)


俺はすぐにスキルを切って、村人たちに向き直った。


「直接戦うのは危険だ。魔狼は音と臭いに敏感らしいから、戦わずに追い払う方法を取ろう。

俺が簡単な仕掛けの作り方を教えるよ。みんなで協力してくれ」


俺たちは一度、村に戻り、俺が考えた作戦をみんなに伝えた。


リリアが真剣な目で頷いた。

「悠真様がそう言うなら、絶対に上手くいきます!

トム、カイル、材料を集めて! みんなで悠真様のお手伝いしましょう!」


村人たちも活気づいた。

マリアさんが笑いながら言った。


「へえ、悠真さんって頭も良いのね。旅の人なのに頼もしいわ」


俺は竹やロープ、森で採れる強めの臭いのハーブを指差しながら、具体的な指示を出した。


「この竹を削って、風が当たると不規則に音が出るように組む。

ハーブは焚いて煙を風下に流すように。狼はこれを嫌がって近づかなくなるはずだ」


作業はゆっくりと進んだ。

リリアは俺の隣で一生懸命メモを取り、汗を拭いながらも笑顔で村の若い衆をまとめている。

時折、彼女の柔らかい腕が俺に触れ、甘い体臭と熱い吐息が近くで感じられた。


(……本当に、妙に俺に懐いてくれるな)


俺はまだ気づいていなかった。

自分の体から漂う、女神アリアの特別な祝福の効果に。

午後遅く、簡易防衛線の準備がほぼ整ったところで、俺は村人たちに声をかけた。


「今日はここまででいい。夜になったら効果を確認しよう。

みんな、よく頑張ってくれた」


村人たちから小さな拍手が起きた。

リリアは俺の袖をそっと掴み、潤んだ瞳で上目遣いに見てきた。


「悠真様……本当にありがとうございます。

あなたが来てくれて、私……この村が、すごく好きになりそうです」


彼女の声は甘く、少し掠れていた。

俺はただ、穏やかに微笑むしかなかった。


(俺は本当に、のんびりしたいだけなのに……

この村、なんだか予想以上に賑やかになりそうだ)

21時に投稿していきます。

もう一つの作品も投稿してますので良ければおねがいします!

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誤字等あれば指摘してくださると助かります。

次回もよろしくお願いします。

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