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死ぬのが怖いので、不人気の回復職を選びました。  作者: s-rush


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第085話 極振りヒーラー、不屈の盾を手にする

バルトが一人でレベリングを行っていた。

ギルド対抗戦まで時間はない。今できることをやっておくだけだ。


《ウィンドゴーレム》が三体、同時に迫ってくる。


「《アイアンウォール》!」


バルトが大盾を構える。ゴーレムの拳が盾に叩きつけられるが、ダメージは大幅に軽減される。

二体目、三体目の攻撃も全て盾で受け止めた。


「《カウンターシールド》!」


盾が光り、反撃ダメージが一体に返る。

ゴーレムが怯んだ隙に、バルトが盾を振るう。


「《シールドバッシュ》!」


盾がゴーレムの顔面に直撃し、スタンが入る。

動きが止まった瞬間に通常攻撃を叩き込み、一体を撃破した。

残り二体も同じ手順で丁寧に仕留める。


戦闘終了。バルトが周囲を見渡すと、遠くに見慣れない崖が目に入った。


「……なんだ、あれ」


近づいてみると、岩肌に古代文字が刻まれていた。


『盾を持つ者のみ、この門をくぐるべし』

『孤高の守護者にのみ、試練の資格あり』


「孤高の守護者……」


バルトが岩肌に手をかざす。すると、大盾が淡く光り始めた。

岩が音を立てて動き出し、隠された入口が姿を現す。中に続く階段が見えた。


「……行くか」


バルトは迷わず足を踏み入れた。



階段を降りると、広い石造りの空間が広がっていた。

壁には盾を持つ戦士の壁画が描かれており、歴戦の守護者たちの姿が刻まれている。

中央の石碑には、試練の説明が記されていた。


バルトは一読し、大盾を握り直した。


扉を開けると、広い部屋の中央に《鉄の巨人アイアンタイタン》が立っていた。

全身を鋼で覆われた巨人が、ゆっくりと巨大なハンマーを持ち上げる。


「来い」


バルトが盾を構える。

ハンマーが振り下ろされる。地面が揺れるほどの一撃だ。


「《アイアンウォール》!」


バルトが巨大な盾を構える。

凄まじい衝撃が腕を伝うが、体はびくともしない。

ダメージは大幅に軽減されていた。


アイアンタイタンが連続攻撃を仕掛ける。

ハンマーが左右から、上下から、絶え間なく叩きつけられる。

だがバルトは全て盾で受け止め、動じる気配すら見せない。


《カウンターシールド》が幾度も発動し、反撃ダメージが少しずつ蓄積されていく。


「《シールドバッシュ》!」


隙を突き、盾を叩きつける。

アイアンタイタンがスタンし、動きが一瞬止まった。

その隙に通常攻撃を叩き込み、HPを確実に削る。


地道な攻防が続く。


そして——

アイアンタイタンが全力のハンマー攻撃を放った。

明らかに今までとは威力が違う。


「《フォートレス》!」


バルトの足が地面に根を張るように固定される。

移動は不可能だが、防御力は三倍に跳ね上がった。


ハンマーが盾に直撃する。

衝撃波が周囲に広がり、床が砕け散る。

だが、バルトはびくともしない。

《カウンターシールド》が発動し、反撃ダメージがアイアンタイタンに返る。


巨人が膝をつき、光の粒となって消えた。




最奥の試練の間。

中央に立ちはだかるは、剣と盾を持つ巨大な騎士像、《不屈の守護騎士イモータルガーディアン》。

アイアンタイタンですら比にならない威圧感を放ち、地鳴りのような足音が響く。


「守護者よ、汝の不屈を証明せよ!」


イモータルガーディアンが剣を振り、盾を叩きつける。

バルトは即座に《アイアンウォール》を発動。

衝撃波が盾を伝い、床がひび割れるが、体は揺るがない。


「《シールドバッシュ》!」


隙を突き、盾で巨体の顎を叩きつける。

イモータルガーディアンが一瞬よろめき、その隙に短刀を抜き《リベンジスラッシュ》を撃ち込む。

盾で受けた攻撃の勢いを反撃力に変換し、深く切り込んだ。


巨人は連続で攻撃を仕掛ける。

上下左右に舞う剣撃と盾の打撃を、バルトは《アイアンウォール》と《カウンターシールド》で防ぎつつ、短刀で反撃。盾に光が走るたび、ダメージが蓄積されていく。


「くっ……まだ耐えられる!」


体勢を崩さず、地面に足を突き刺し、攻撃の衝撃を逃さない。

イモータルガーディアンがジャンプして旋回。

床を叩きつけ、衝撃波が周囲に広がる。瓦礫が飛び交い、視界を遮る。


「……ここだ!」


バルトは盾で攻撃を受けつつ、

短刀で連撃を叩き込み、《シールドバッシュ》で再度スタンを奪う。

反撃が確実に蓄積され、HPを削っていく。


巨人が振るう剣は一撃一撃が重い。

《カウンターシールド》が発動するたび、盾から光の稲妻のような反撃が巨体に飛び込む。

バルトは一歩も引かず、地道に攻防を重ねる。


「《フォートレス》!」


バルトは足を地面に固定し、防御力を三倍に引き上げる。

イモータルガーディアンが振るった全力の剣撃が盾に直撃。

衝撃波が全方向に広がり、天井の一部が崩れるが、バルトはびくともしない。

短刀で胸部を突き、少しずつ削る。


巨人が盾を回し、周囲の床を連続攻撃で砕く。

《グランドスラム》で反撃するタイミングを窺うバルト。

剣と盾の連撃を受け止め、短刀で切り込む。


「……まだだ、ここからだ!」


バルトがポーションを口にし、立ち上がる。

《アイアンウォール》と《フォートレス》で防御を固め、盾を前に構える。


イモータルガーディアンが連続の斬撃と盾叩きで反撃してくるが、バルトは《カウンターシールド》で攻撃を吸収し、短刀で一撃一撃を返す。

光の粒のように反撃が蓄積し、巨体に小さなひびが入る。


「《グランドスラム》!」


バルトが大盾を地面に叩きつけ、衝撃波が広がる。

イモータルガーディアンの足元を揺さぶり、バランスを崩させる。


「よし、行くぞ!」


短刀を握り直し、連続斬り《リベンジスラッシュ》を叩き込む。

盾の反撃と合わせ、HPが一気に削られていく。


イモータルガーディアンの剣が大きく振り下ろされる。

だがバルトは盾で受け止め、短刀で背後に回り込む。


スタン効果で一瞬動きを止め、《グランドスラム》で再度追撃。

衝撃波に押され、騎士像が揺れる。


最後の一撃。《シールドバッシュ》で頭部を叩きつけ、短刀で止めを刺す。

イモータルガーディアンが光の粒となって崩れ落ち、静寂が戻った。




最奥の宝物庫。

静寂の中、六つの台座に並べられた装備が、まるで呼応するかのように光を帯び始めた。


「……!?」

バルトが近づくと、装備が一斉に輝きを増す。


【ユニークシリーズ《不屈の守護シリーズ》を獲得しました】


《ユニークシリーズ:不屈の守護シリーズ》

各ダンジョンを初回かつ単独で攻略した者にのみ授与される特別報酬。

世界に同名の装備は存在せず、破壊・譲渡は不可能。


《不屈の兜》(頭)

効果:


一日に一度だけ、致命ダメージを無効化しHP1で耐える

【VIT+20】【STR+10】


説明:

不屈の意志を象徴する鋼の兜。どれほどの一撃も、守護者の決意を砕くことはできない。


《不屈の鎧》(体)

効果:


10秒ごとに最大HPの3%を回復

【VIT+30】【STR+15】【AGI+5】


説明:

再生を宿す鋼の鎧。傷ついても立ち上がり続ける者に、大地の加護が宿る。


《不屈の大盾》(右手)

効果:


受けたダメージの30%を攻撃者に反射

【VIT+25】【STR+10】


説明:

守護と反撃を兼ね備えた鋼の大盾。敵の刃は、己の身を裂く。


《不屈の剣》(左手)

効果:


与えたダメージの20%をHPとして吸収

【STR+20】【VIT+10】


説明:

命を繋ぐ鋼の剣。敵を討つたび、守護者の生命力が満ちていく。


《不屈の腰鎧》(足)

効果:


全ての状態異常の効果時間を70%短縮

ノックバック無効

【VIT+15】【STR+10】


説明:

揺るがぬ意志を支える鋼の腰鎧。毒も呪いも麻痺も、守護者の足を止めることはできない。


《不屈の脚鎧》(靴)

効果:


移動速度-20%、防御力+50%

《フォートレス》使用時、移動可能になる

【VIT+20】【AGI+10】


説明:

重厚な鋼の脚鎧。遅くとも、その一歩は誰よりも確かに大地を踏みしめる。




「……これは……」


言葉を失うバルト。すべての装備を身につけると、重厚な鋼の鎧が全身を包み、戦士としての威圧感だけでなく、守護者としての安心感すら漂ってきた。


ステータス画面を確認する。

VIT、防御力――数字が大幅に跳ね上がり、今までの自分とは比べ物にならない強さを示していた。


「……よし」

バルトは満足そうに頷く。盾を握り直し、剣を腰に差し、堂々とした足取りで宝物庫を後にした。

守護者として、さらに一歩、進化した自分を胸に刻みながら。




バルトが帰還すると、全員が駆け寄って出迎えた。


「おかえ……って、その装備!?」


ステラが目を丸くする。全身を覆う鋼の鎧。さっきまでとは明らかに違う、圧倒的な重厚感だ。


「ダンジョンで手に入れた。ユニークシリーズらしい」


ヒマワリが目を丸くする。


「えっ、ユニーク……ですか?」

「初回かつ単独攻略で手に入るやつだ」

「すごい……盾と鎧でここまで変わるんですね!」


ヒマワリが思わず感心の声を漏らす。


「試してみよう。訓練場に行こうよ」

ステラが提案した。


みんなで演習場に向かう。

ボス級の攻撃力を持つ訓練用ダミーの前に、バルトがゆっくりと足を踏み出した。


「行くぞ」


ダミーが全力攻撃を放つ。


「《アイアンウォール》!」

バルトが大盾で受け止める。

衝撃が腕を伝わるが、ダメージは大幅に軽減され、《不屈の鎧》の回復効果で削られたHPが瞬時に戻る。

さらに《不屈の大盾》の反射ダメージがダミーに返り、HPを削っていく。


「攻撃してないのにダメージ出てる……」


ヒマワリが驚きの声を漏らす。


バルトは剣を構え、一閃。


「《不屈の剣》!」


ダミーに鋭い斬撃が入り、同時にバルトのHPが吸収され回復する。


「攻撃するたびにHP回復してる……!」


リリアが目を見開く。


「……完璧な盾役ですね」


ステラが笑顔で言う。


「ああ。任せてくれ」


バルトが短く答え、大盾を構え直した。


「心強い!」


ノエルも嬉しそうに笑う。


全員が笑顔で頷いた。

ギルドの未来を託せる――そんな安心感に包まれながら。


次は4/2 21時投稿予定

お楽しみに!

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