襲撃
「時は来た。敵は来翔軒にあり!お前達かかれ。」黒鷹甚三郎はスマートフォンで2人に指令を出した。
「分かりました。総帥。おら行くぞ、修平。」
「分かりました。兄貴。」
2人は鉄パイプを持って侵入した。
「おらおら!さっさと金よこせよ。こんな店良く潰れねぇな。」その男は、圧迫してきた。
「お前!もしかして、瑛士さん?」来翔は普通に訊いた。
「あぁ。俺が瑛士だ。なんか文句あんのかゴラ!」瑛士は弱さを隠すようにいきり立っているようだった。脅迫してくるのだが、その後ろには悲しみが感じられた。
「この店は渡しません。お金が欲しけりゃここで働くと良いですよ。」来翔は気を立たせないように、瑛士に優しく振る舞った。
「はぁ?何言ってるか分かんねぇよ。大体、こんな店で働くか?」
「じゃあ、やり合いますか?瑛士さん。」諭すように来翔は言う。
「おう!そうさせてもらうぜ!おらおら!」
「じゃあ、表に出ましょう。」
店の前で大乱闘が始まった。店主として来翔は負けるわけにはいかない。あのスーツを使わないと決断した身、使ってしまえば弱い男だ。男にはやらなきゃいけない時がある。怯えてても何も始まらない。全神経を研ぎ澄ませ、その時を待つ。
「おらおら!ビビってんのか?やっちまうぞ!」
瑛士は走り込んで、向かってきた。
冷静に前を見る。
「うおおおお!」瑛士は鉄パイプを持って襲いかかる。
「そこだ。」来翔はデブの動きを感じさせない速さで避ける。そして、高校時代、柔道で習った大外刈りを決める。勿論、安全に決めた。
「ふっ、くそっ。負けてしまったか。」瑛士は嫌そうな顔をしていた。負けたことを信じられないような目をしていた。
「さぁ、戻りましょう。さっきのことは無かったことにしましょう。」来翔は優しい口調で彼に言った。
「店長、その済みませんでした。俺、架空請求しようとしていました。だから、警察に…」瑛士は来翔に告げた。
「良いんだよ。人には間違いがある。それより良かったな。罪を犯す前で。」来翔は大目に見た。
瑛士は泣いていた。こんなにも優しい人に会えたことに感動していたのだ。
「さて、二人共、腹が減りましたよね?腹が減るから腹が立つんですよ。今日は僕が振る舞いますから。何が良いですか?」
「忝ない。では、特製燻製カツ丼をお願いします。」瑛士はそれを頼んだ。
「あなたは?」
「私も先輩と同じ物で。お願い致します。」修平と呼ばれたその男は瑛士と同じ物を注文した。
水を素早く提供して、カツ丼を作り始めた。
師匠直伝の味を伝える。どんな客だろうと甘えを許してはいけない。客は神様、正しくその通りである。玉ねぎと人参、とんかつ。それらを使って具を完成させて、ご飯に載せた。瑛士達は左官のような格好をしていた為、大盛りのご飯にした。
「さぁ、お待たせしました。」来翔は提供する。




