表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全部奪われた俺が、ゼロから王になる話  作者: 月城リク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/27

22話 鉄の鎖を断つ

読んでいただきありがとうございます。

ブックマークしていただけると励みになります!

深い夜が明けようとする、薄暗い監獄の底。


ギランの慟哭どうこくが静まり、代わりに決然とした沈黙が満ちていた。


「小僧…いや、若。俺に、もう一度戦う許可を。この錆び付いた命、すべて貴方に預けましょう」


床に額をつけたままのギランに対し、アッシュは無言で頷いた。


背負っていた薪の束から、布に包まれた父の真剣を静かに抜き放つ。


「……それは大将の剣か…」


「そうだ。俺はこの剣を手にした時に誓った。必ずエルダンの栄光を取り戻し、エルダンの民を救うと。」


ギランはアッシュの姿に、大将の面影を重ねた。そして、自分が再び命を懸けられる主に出会えたことを、心の底から噛み締めた


「ギラン、……夜が明けたら、採掘場の広場で合図を出す。あんたは仲間たちをまとめておいてくれ」


数時間後。


朝の冷たい空気が流れ込む採掘場の広場に、監視兵たちの鞭の音と罵声が響き始めた。


「おい! さっさと並べ、この家畜どもが!」


監視兵が、うなだれる奴隷たちの背を蹴り、無理やり整列させていく。


だが、最後尾に立つギランが放つ静かな闘気が、周囲の同胞たちにじわりと伝播していた。


監督官が点呼を始めようとしたその時。

一段高い岩場の上に、ボロ布を脱ぎ捨て、父の真剣を高く掲げたアッシュが姿を現した。


「……なんだ、あのガキは! 捕まえろッ!」


監視兵たちが色めき立つが、アッシュの声がそれよりも速く、鋭く響き渡った。


「目を覚ませ! 鎖に繋がれ、家畜として死ぬのがお前たちの望みか!?」


奴隷たちの視線が一斉に上を向く。アッシュは首元の銀の首飾りを鷲掴みにし、昇り始めた朝日にかざした。


「僕はカイゼル・レジスの息子だ! 父が取り戻そうとしたエルダンの栄光を!!共に立ち上がる者は、その手にある槌を、今こそ武器に変えろ!!」


「……おおおおおっ!」


地鳴りのような咆哮。


真っ先に動いたのはギランだった。


彼は監視兵の振るった鞭を素手で掴み取ると、そのまま兵士を軽々と放り投げた。


「若に続け! 我ら救国軍の火は、まだ消えてはおらんぞ!!」


鉄と泥の地獄だった採掘場が、一瞬にして戦場へと変わった。


アッシュが掲げた銀の光に導かれ、虐げられていた巨漢たちが一斉に反旗を翻した。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、評価やブックマークぜひお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ