22—しげき兄ちゃんの物語 6 <連絡網の整備>
「じゃあ、最初は『放火』による小火の通報からはじめようか。まず、誤解を招かないように消防署に話しを通さなきゃな。」
3人と1羽の前でブドリ君は早速、携帯電話を取り出した。
♫ ♫ ♫ ♫ ♫
「もしもし。県の消防主幹課長さんをお願いします。…。 はい。…。 あ、私は『ブドリ』と申します。それでわかっていただけると思います。」
「はい。お久しぶりです。ブドリです。
『…。』
「いいえ、『マリア案件』ではありません。急ぎの話しではないのですが。」
『…。』
「はい。今回は課長さんにお願いがありまして、」
『…。』
「いえ、私の就職の話しじゃありません。それは前にお断りしています。」
『…。』
「はい。 いやまあ、ご評価いただいているのは有り難いのですが…」
『…。』
「はあ、すみません。 それで、本題ですが、火災の通報についてです。『マリア』ではないのですが、小火などを検知できそうです。」
『!!!』
「いやそんな大声で怒鳴らなくても聞こえますから。…ええ、本当です。」
『…?』
「はい。…いいえ、私ではありません。友人です。
『…。』
「はい。そうです。」
『…?』
「はい。お願いごとは、匿名での通報についてです。」
『…?』
「いいえ、カラスではありません。どうやって火災を見つけるかは、しばらく内緒にさせてください。カラスの時もすぐには信じてもらえませんでしたし…」
『…。』
「それでですね。うちの県全体はさすがに大変なので、うちの市の放火について、その発生と犯人の情報をお知らせすることから始めたいと思います。いかがでしょうか?」
『…!』
「お役に立てそうですよね。でも、観測者は、未成年なので、いつでも、とはいきません。学校を優先させます。だから即時情報は遅れるかもしれません。」
『…。』
「申し訳ありません。 ところで、六王市の放火による火災は年間何件くらいですか?」
『…。 ….。』
「30件から40件なら月に2〜3件ですか。 少々お待ちください。」
とブドリ君は通話を待機状態にして、あおいちゃん達に問いかけた。
「お聞きのように月に2〜3件はありそうだけど、大丈夫かな? 大きな負担にならないかい?」
「私は大丈夫です。」
「そうか…。
お待たせしました。月に3件くらいなら対応できそうです。」
『…!』
「はい。それでですね。発信者の特定はご遠慮くださいね。彼らはコードネームで通報することになります。」
『…?』
「ええ。3人組です。…そうです。コードネームです。『ノルマル』『モーラー』『グラム』の3人からの匿名通報をイタズラ電話ではなく、真面目な通報として受け取ってください。」
『…?』
「そうです。彼らはまだ未成年なので、通報の現場にも守秘をよろしくお願いします。」
『…。』
「はい。彼らは六王市在住です。くれぐれもよろしくお願いします。」
『…。』
「ありがとうございます。それで今後の通報先ですが、この電話番号でよろしいのでしょうか?」
『…。』
「そうですね。いつもスタンバっている通報用の電話番号の方が良いですね。では、119番でよろしいですか?」
『…。』
「分かりました。119へ電話します。ではそちらの方への申し送りはよろしくお願いします。」
『…。』
「はい、しばらくは試行とさせてください。また、見逃しはご容赦ください。」
『…。』
「はい。それでは。あ、ちょっとお待ちください。」




