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24 ぐーたら令嬢、入学準備をする

 王立シェブランアカデミー。

 初代国王シェブランの名を冠した伝統ある全寮制の学校。上流階級の子供専用で、王室の許可状がないと入学できない。生徒たちはここで勉学を極めると共に、社交を行い有益な人間関係を育む。

 まあ、典型的なお貴族様の学校だ。

 学校が学校だけに入学準備にかかる費用も時間も莫大で、まさか公爵が私をシェブランに生かせるとは思わなかった、とはヘスマンの談だ。

 私としては、はっきり言って不義の子である私がそんな学校にいけるのか、という驚きの方が大きいのだがそこはコネやら金やらを積んでなんとかするのだろう。

 公爵が私にそれだけのことをする価値があると考えたのは、いい傾向だ。利用価値が高まれば高まるほど、私の生存確率は上がるのだから。


 さて、学校に行くには準備が必要だ。

 制服、教科書、文房具・・・。一人では到底管理できそうにないそれらを、ヘスマンの助けを借りてそろえていく。彼ほどの有能な人が自分の味方なのは、正直めちゃくちゃ心強い。

「どちらがお好きですか?」

「こっち!」

「ではこちらを」

 その上私のこともおもんばかってくれるので、やりやすいことこのうえない。特に文房具などは、公爵令嬢にふさわしいクオリティの物を厳選した上で好きに選ばせてくれた。有能である。

 また、全寮制という特性上身の回りの物もいくらか新調することになった。個人差の大きい棚やドレッサーなどの家具を買うのはうなずける。だが一方で、ベッドまで新調することになったのには驚いた。しかも天蓋付きのクイーンサイズだ。寮、というからには部屋にそのあたりの準備もあるのだろうと思っていたら、貴族はやることが違う。元会社員にはとてもついて行けない世界だ。

 あれこれとヘスマンが見せてくれるのだが、なんせ慣れない作業。二度目の公爵令嬢とはいえこの世の常識に疎い私には、途中から違いが全くわからなくなってしまったので、結局ほとんどお任せだ。

 それから、何よりも大切な制服の準備。

 シェブランの制服は仕立てのいい濃紺のセットアップに、大きなリボンのついたブラウス。リボンの真ん中に留める宝石が学年を、裾を縁取る刺繍が階級を示すらしい。1年生で公爵令嬢の私は赤い宝石に銀刺繍である。


 こうして、ヘスマンのおかげで私はつつがなく入学準備を終えたのだった。

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