1章 両王達の狂乱 運命の着地点の選別
ー 王城地下 ー
国王は急ぎ脚で王城の秘密の場所へ向かっていた懐には秘蔵の美酒を抱えている。
平和な時代にほとんど使われていない地下牢の先、誰も寄り付かない袋小路にそれは隠されていた、国王が底意地の悪い笑いを止めぬまま、火の消えた壁掛け松明の裏の魔力供給口に魔力を込める。
突如として袋小路の壁に空間の亀裂が入る、巧妙に隠された空間魔術ポータルである
国王「おや、既に魔王の魔力が漂ってきているな、この高揚感は…、くっくっくっ…魔王め我慢できずにもう酔っているな…」
王は美酒を懐から取り出し差し出すような形で亜空間へと入っていく
ー その後ろをあまりの恐怖から壁伝いに体を貼り付けながら大臣が追いかけている、あまりの普段からの王の豹変に好奇心が恐怖に買ってしまったのだ、…あるいはこれから起こるであろう【卑劣】に対する無自覚の正義だったのかもしれない…
国王はポータルの先の質素な石造りの廊下をツカツカと歩いてゆく、暗い廊下の両側にはキラキラと光を放つ水晶体が多数並べてられていた。
それらは最高級の【魔導式水晶映像記憶体】である。
本来人間の大富豪が娘の結婚式に無理をして買うような贅沢品、それらを国王と魔王は自分の活動の為に湯水のように使っていた。
国王「…このあたりの映像は久かた視聴していないな、全てが終わった時にまた見に来るか、この【芸術】を…いかん、いかん今はこの最高の瞬間に集中しなくては…くく…」
廊下の先、防音魔法陣を掛けた扉が見える、国王はニタニタと笑いを止めずに扉を開く
部屋の中には背を向けて何かに注視している魔王、それは遠隔の盗撮用大スクリーン映像魔法陣である、もちろんそこに写っているのは合流地点へと向かう四天王たちである
ドラ「勇者は天性の才により雷魔法を使いこなす祝福者であると聞く」
ピニ「雷が落ちてくるの!?ピカーッて!?うわー、避けられるかなぁ!?」
ラザ「俺の体なら避けるまでも無いけどねー、悪魔ちゃんは同じ魔法剣士として腕がなるんじゃない?」
アル「戦いに行くわけでは無いと言っているだろう…だが魔王様の顔に泥を塗るような事はせん、上級魔族としての格の違いは見せつけ無くてはならん」
魔王「クハハ、そうだ興味を持て、互いを知るのだ至高の終わりのために、…国王か、どうだ今回の素材は…選りすぐりだ、最高だと思わんかね?」
両王はかつて無いほど底意地悪くニタニタと笑い合う
国王「完璧だ、貴殿とは長い付きあいだが、今回は至高…いや、今までで2番目に良い素材だ」
魔王「クハハ、やはり至高はあの時から譲れぬか、よいよい、そこに関しては我も同意見だ」
両王は映像を勇者側へと回します
魔王「ほぅ…完璧な勇者、半エルフの小娘、魔族を隔てぬ聖女、無骨な修練者、くくく、よい、良いでは無いか、素晴らしい終わりが目に浮かぶ!」
国王「ふふふ…さて本題へと入ろう魔王よ、今回の4人と4体…」
「誰と」
「誰を」
「くっつけようか」
…この物語は神すら騙る卑劣で…
恥知らずで
おせっかいで
身勝手で
大袈裟で
馬鹿馬鹿しくて
暇で
うざくてうざくてうざくてうざい
【3度の飯より他人の異種族間恋愛模様を眺めるのが好きな両王により】
四天王達と
勇者隊達の
【恋の運命をただただ弄ばれる物語】なのでした




