序章 後に犠牲者と呼ばれるようになる8人達 ②
ー魔王城にてー
闇の帳の向こう、頬杖を付きながら目の前の者達を試すように魔力の圧を掛けながら魔王が言葉を発する
魔王「ふむ、来たか広大な魔界から我自ら選び抜いた精鋭達よ…」
上位魔族の女騎士「(息を呑む)……はっ!このアルティナ、命に変えても魔王様の期待を裏切るような真似はいたしません!」
竜族の戦士「ふむ、お初にお目にかかります、魔王様、私の翼を選んでいただきありがたく思います」
魔導ゴーレム「へへっ堅苦しいのは抜きにしましょう、世界を救うのは一年後、今はまだ気楽に行きましょう」
兎獣人の剣闘士「ここで戦うんじゃないの?よく分かんないから皆についていくね」
○四天王の詳細○
・魔界の名家の令嬢騎士
アルティナ(上位魔族)
非常に高い忠誠心、誇り高く真面目・堅物
人類に対してはやや傲慢で敵対的、レイピアと魔法を織り交ぜた華麗な剣捌き、上位魔族特有の魔力保有量から持久戦が得意
・飛行能力の特に高い竜族種の戦士
ドラグノフ(ワイバーン系竜族)
空を愛する孤高の武人、人類に対する興味は低い、重槍による高度からの一撃離脱が得意、一時的に完全なドラゴンの姿へと変身可能で火炎ブレスを履くことが出来るがだが本人は人型での決闘を好む
・魔導ゴーレムを依り代にした幽体
ラザルス(ミストゴースト)
陽気で軽薄、道化的、人類に限らず他者と一定の距離を置きたがる、蒸気魔法をゴーレム内に循環させ圧倒的な馬力と直接熱気を浴びせる近接戦闘が得意、幽体離脱による別の物質への憑依も可能だが本人は非常に嫌がる
・ひたすら闘争を続けてきた獣人の剣闘士
ピニィ(兎獣人)
今はなき魔界の違法地下闘技所の元チャンピオン、幼少期より戦いを続けてきたため純真無垢かつ戦闘狂、力の有無で世界を見ており善悪が希薄、身の丈を超える大剣と腰の短剣二刀流を瞬時切り替える進発力のある戦闘が得意
魔王「ふむ、我の戯れの魔力の圧に怖じ気付く者のなどおらぬか、当然ではあるがそうでなくては、しかしこの先そなたらが挑む者は完全なる神域の者、ただ種族の力の頂点に立つのみでは決してたどり着けない領域」
アルティナ「魔王様がそこまで仰るとは…不甲斐なさを感じると共に敵の巨大さを今一度実感しております…」
魔王「…神域の淵に立つ為には神の助力をこうしか無いのだ、この世界に定められた天蓋である、その天蓋を通過するためにこの世界神の神託に従いそなた達には人間共の精鋭と共に世界を巡ってもらう」
ドラグノフ「天蓋を超えるために飛べぬ者達と同行とは…神も道楽が好きと見える」
ラザルス「飛べないの奴らがいるのは魔族の大部分にもあてはまるけどねぇ、俺は飛ぼうとすれば飛べるけどやだなぁ、ねっ兎さん」
ピニィ「跳ぶ?私も跳ねられるよ!それで強くなれるの?」
ぴょんぴょんと大剣を片手に持ったまま跳ねる
ラザ「うわっ危ないからやめてくんない、元気すぎるでしょ…」
ゴーレムが後退りしながら軽く蒸気を吹きかける、獣人が反射的に大剣を盾にし腰の短剣に手を掛けた所で魔王の重厚な声が響く
魔王「そこまでだ、これ以上の狼藉は許さぬ、側近よ、例のものを」
側近「(おずおずと)かしこまりました、皆様こちらを」
それぞれの大きさにあった腕輪を各人へと渡す
ラザ「なんすかコレ?」
ドラ「ふむ、念波魔法の一種が感じられる」
魔王「その通り、これはそなたらの神域への深度を我に知らせるための器物だ」
アル「魔王様からの賜り物は我が命と同義!我が魂に掛けて必ず神域への到達をこの器物を通じ報告致します!」
魔王「ではゆくのだ【四天王】よ!勇者隊との合流地点は奴の出現した境界の検問所である!その地にて神による最初の神託も起こるであろう、必ず勇者達と共に奴の野望を打ち砕くのだ」
「「「はっ…!」」」「うん!」
〜 四天王達が魔王城から見え無くなった頃、魔王は玉座にて不敵に笑い始めます
魔王「くっ…くっくっくっ…クハハハハ!あまりにも予定道理では無いか!あの極上の素材達!【今回も】ずいぶんと楽しめそうだ、国王の奴、半端な素材では許さんぞ…くっくつ…カッハッハッハ!」
魔王の笑い声が一人響く広間、扉の外で怯えながらそれを聞く側近とは別に空間に微かな隙間を開けて魔王をいまいましめに眺める2つの視線がありました
??「あぁ…今回は彼らが【犠牲者】なのか…」
??「えぇ、もはや魔王の掌の上同然でしょうね…きっと彼らも逃げられないわ…」




