2235
救助した商人曰く、ここから街道を数キロ程西に行ったところにある分岐路の近くの森に、数体のオークの姿があったんだとか。
北の森や一の森ならともかく、領都の西側で街道から見える位置にオークが姿を見せることはちょっと珍しい気がする。
ただ、彼の他にも直接見た者がいて、見間違いということはないだろう。
その彼らは念のため周辺の村に引き返したが、彼は積み荷が日持ちしない食料品だったため、念のため分岐路の手前で粘っていた。
んで、そろそろ時間も危うくなってきたし、引き返そうか……ってところで、オークも森の奥に姿を消したため一気に街道を駆け抜けようとした。
ところが、日が落ちて少しずつ動き始めた魔物の群れに捕捉されてしまい……ああなったと。
何か最近領都の北側でも似たようなことがあった気もするが……商人の考えることはどこも似たようなものなのかもな。
もっとも、彼の場合は多少は腕に覚えがあったため、走りながら追い払おうとしていたらしい。
結局は捕まってしまい停止してしまっていたが、間に合って良かったな。
「まあ……事情は分かったわ。セラ、どうしましょうか?」
「うん? ……そうだね」
何もなければ一緒に街に帰還してもいいんだが……。
「死体の処理もあるし、ちょっとそっちも見ておきたいからね。悪いけど一人で街に向かってもらえるかな?」
「ええ、ええ。もちろんです。先程助けていただいただけでも十分なほどです」
「……そろそろ門が閉まる時間だし急いだ方がいいかもね。ここに来るまで街道やその側には魔物はいなかったし、急いでも襲われることはないと思うよ」
「わかりました。ありがとうございます!」
俺の言葉に、彼は何度か頭を下げて礼を言うと急いで馬車に乗って出発した。
もし間に合わなくても、俺たちが口を利いたら中に入ることは出来るんだろうが……それをやってしまうと不公平だからな。
まぁ……もし間に合わなかったら門のすぐ前で野宿することになるが、門前の兵たちもこの時期なら魔物の接近を見逃すようなことはないし、一晩くらいなら大丈夫だろう。
「んじゃ……処理をしないといけないけど……フィオさん調べたりする?」
先程の商人を襲っていた魔物は、どれもフィオーラが頭部や胸部を撃ち抜いてしまっているが、とりあえず腹部はどれも残っているみたいだし、中身を見るくらいは出来るはずだが……フィオーラは首を横に振った。
「行動自体に何か異常があったわけでもないし必要ないわ。とりあえず……そこに集めてもらえるかしら?」
フィオーラは街道脇の丁度地面が荒れている箇所を指した。
そこなら火を使ってもまず延焼したりはしないだろう。
俺は「了解!」と返事をすると、尻尾を発動して魔物の死体集めを開始した。
◇
街道に転がっているコボルトの死体を尻尾で掴んで、フィオーラが指示した場所に集めていく。
頭部や胸から上が無くなっている死体も多いが、何だかんだで形は残っているし、尻尾で運んでいても特におかしな点は見当たらないあたり、ただのコボルトみたいだ。
「はい……これで全部だね。引っ張った感じ何もおかしな点はなかったね」
「そうね。上から見ていてもおかしな点はなかったもの」
フィオーラは積み重ねられた死体を眺めながらそう言うと、俺に下がるように指示をする。
「それじゃあ、一気に焼いてしまうわ。周りに影響は出ないようにするけれど、一気に焼くからもしかしたら離れた場所からでも見えるかもしれないの。悪いけれど、上から周囲の警戒をお願いしていいかしら?」
あれから更に暗くなってきているし、流石にもう街道を行き来する者はいないだろうが、そうなると今度は魔物が現れ始めるだろう。
魔物だって馬鹿じゃないし、いくら目立つからってすぐに近寄って来ることはないが……中には馬鹿な魔物や強さに自信のある魔物もいるしな。
警戒は必要だ。
俺は「了解!」と応えると、すぐに【浮き玉】を上昇させた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




