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聖貨を集めて、ぶん回せ!  作者: 青木紅葉
26章・領都の北側

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「うん?」


 そろそろ街道が見えてくる……って位置まで来たが、ふと人の叫び声のような物が聞こえてきた。


【風の衣】があってコレってことは……?


 移動しながら周囲を見渡すと、まだ距離があって小さくしか見えないが街道に一台の馬車の姿があった。


 そして。


「……っ!? フィオさん!」


「ええ!」


 俺と同じタイミングで気付いたフィオーラが、そちらに向かって即座に魔法を放った。


 威力は抑え目だが、しっかりと狙い通りに馬車を囲む魔物に直撃して地面に崩れ落ちていた。


 派手に爆発するようなこともないが確実に倒している。


「セラ! 貴女は御者に! 魔物は私が仕留めるわ!」


「了解!」


 魔物に取り囲まれて混乱しているところに、さらに遠方から謎の魔法の狙撃まで重なってしまったんだ。


 下手にその場から離脱しようとして事故が起きたら大変だ。


 俺はフィオーラの背中から離れると、馬車の方に向かって飛んで行った。


 ◇


「ほっ!」


 俺は御者の元に飛んで行きながら、念のため【緋蜂の針】を発動する。


 もっとも……俺の上を飛んでいるフィオーラがポンポンと魔法を撃っては仕留めていっているし、俺の出番はなさそうかな?


「大丈夫?」


 御者が御者台の上から槍のような物を振り回しながら魔物を追い払っていて、俺の接近に気付いていなかったようだ。


 急に声をかけられたことに、御者は「うわっ!?」と驚いて声を上げるが。


「……っと、セラ様!?」


 すぐに俺だと気付いたようだ。


「上からフィオさんが魔法を撃ってるからすぐに終わるよ。馬を落ち着かせてね」


「上……!? わかりました!」


 事情はまだ把握出来ていないようだが、上からの魔法が魔物を倒していることはわかったみたいだ。


 御者台から降りると馬の元に走っていき、首を撫でたり叩いたりして宥めている。


 俺はその彼の周りを飛びながら、フィオーラが討ち漏らした魔物がコッチに来た場合に備えているんだが……。


「囲んでる魔物はコボルトだったんだね。数的に二つの群れみたいだけど……オレの出番はなさそうかな?」


 威力と範囲を絞った光線状の魔法を空中からバンバン撃ちまくって、確実に仕留めていっている。


 もう一分もかからずに倒しきれるだろう。


 別に戦闘に参加してもいいが、下手に俺が飛び込んでも邪魔になるだけだろうし……この状況で出来ることとなると。


「……オレは周囲の警戒かな?」


 馬車の荷台の上に移動して、周囲に魔物が潜んでいないかを探ることにした。


「サイズ的に……オオカミかな? 獣はいるけど、魔獣や魔物はいないみたいだね。もっと遅い時間だと街道にも魔物は出て来るけど、まだそこまでじゃないか。んで……魔物は片付いたね?」


 全部で十体弱だ。


 フィオーラからしたら狙いに気を使うくらいで、倒すことは大した手間じゃないし、あっという間だったな。


 全滅させたことと、周囲にこちらを襲ってくるような魔物がいないことを確認した俺は、上のフィオーラに向かって腕を大きく振って片付いたことを伝えた。


 ◇


 戦闘が終わったところで、死体の処理は後回しにして、襲われていた馬車の男に事情を訊ねることにした。


 見たところ護衛も付けていないし彼一人だけのようだ。


 この辺りだったら魔境からも離れているし、短い距離でならそこまで不用心ってわけではないんだが……それはあくまで昼間の場合だ。


 さっきの槍の取り回しを見たところ、一応彼も多少は戦えるみたいだが……それでも日が落ちて暗くなり始めるこの時間に一人で移動するってのはちょっと無謀だと思う。


 そもそも閉門に間に合うかどうかも微妙だし……何か事情があったんだろうか?


 そう訊ねると、彼は困り顔で答えた。


「……オークらしき魔物が街道の側をうろついていた?」


「ええ。見間違いかと思ったのですが……念のため姿が見えなくなるまで待機していたのです」

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
無用心かと思えばむしろ用心した結果だったか ちょっと気になる情報だねぇ
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