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「……はい、これでお終いね。もう他にはないのかしら?」
明後日の森の調査の話が終わってからも、適当にお喋りを続けながらフィオーラの作業を眺めていたが、それも今終了した。
フィオーラにとってはいい暇潰しなのか、まだ他にもやりたそうではあるが……。
「流石にもう無いね。オレは元々恩恵品以外あんまり使わないしね……」
恩恵品以外の装備も良い物を使ってはいるが、そもそもの数が少ないし……あまり暇潰しにはならなかったのかもしれない。
「そう……まあ、仕方がないわね。それなら【小玉】を貸してもらえるかしら? たまに研究所までの移動とかに使わせてもらっていたけれど、外で乗るのも久しぶりだし、今のうちに少し慣らしをしておきたいの」
「そうだね。折角時間があるんだしね」
窓の外を見ると、まだまだ暗くはなっていない。
フィオーラが乗るのは屋敷の中だけなのか、あるいは外にも出ようと思っているのかはわからないが、ある程度しっかり慣らし運転が出来るだろう。
ジャケットをタンスに仕舞ったり道具の片づけをしているフィオーラを眺めながら、俺は【小玉】を発動した。
◇
手入れを終えた恩恵品を改めて身に着けた俺は、フィオーラと共に屋敷の外に出た。
フィオーラは初めは部屋の中や廊下を飛び回るだけのつもりだったみたいだが、すぐに物足りなくなったようで、まずは中庭に出ることになった。
しばらく飛び回っていたが……中庭は特に障害物になるような物もないし、ただ開けた場所を飛ぶだけでしかなく、むしろ屋敷の中よりも退屈な場所だ。
ってことで、結局外に出ることになった。
中庭に出る際に使用人にセリアーナへの伝言を預けていたし、俺とフィオーラならどこに出るのも問題ないだろう。
「んで……どこ行く? とりあえず貴族街にでも行ってみる?」
場所を中庭から屋敷の屋根の上に移して、街の様子を眺めているが……ここからギリギリ見える街の様子だと、今はどこも人通りが多くなっている。
住民が買い物に出ている……とかではなくて、そろそろ店が閉店や明日の準備を始めているんだろう。
荷台を引いた馬がそこら中を走っている。
【小玉】を使った移動の訓練なら、整地がしっかりされていて基本的に直線の通りばかりの貴族街よりも、細かい路地があったりする街の方が都合が良いだろうが……流石に邪魔になってしまうだろう。
まぁ……人がいない屋根の上とかを飛び回るのも有りかもしれないが……どうしようかとフィオーラに訊ねると、彼女は「そうね……」と街の方に視線を向けた。
そして、しばらくそのままでいたかと思うと、クルっと反対の街の外を向いた。
「私が行くのは北の森だし、街の中よりも外の方がいいわ。構わないでしょう?」
「む……まぁ、そもそもフィオさんならこの辺ならどこでも平気だろうし、オレは構わないよ」
「結構。それなら、領都の西に向かいましょう」
フィオーラはどうやら西門は使わずに壁を越えて外に出るつもりらしい。
俺は街壁の上の兵に向かって合図をすると、身振りで外に出ることを伝えてからフィオーラの後を追っていった。
◇
「街の外に出るのは久しぶりね」
草原の上を飛びながら、フィオーラは【小玉】をゆっくり回転させて周囲を見回している。
彼女が言うように、雨季の間はたまに冒険者ギルドや解体所に足を運ぶことはあっても、街の外に出ることはまず無かった。
まぁ……そもそも彼女が街の外に出ること自体滅多にないんだが、そこは突っ込まないでおこう。
「どの辺まで行くの? もう騎士団の巡回は始まってると思うけど……まだそんなに広範囲は見れていないだろうし、あんまり遠くまでは行けないと思うけど……」
「すぐそこまでよ。いくつか森を越えて……それから引き返しましょう。それに、もし魔物がいてもこの辺りのならすぐに片付けられるわ」
そう言って速度を上げていくフィオーラに、俺は慌ててついて行った。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




