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フィオーラが俺に代わって恩恵品の手入れを行い始めてからしばし。
まだまだ加護はあるし、俺の守りが薄くなるってことはないんだが……手入れをしてもらうために、恩恵品を外しているためどうにも落ち着かない。
まず初めに【浮き玉】のチェックから始めてもらったため、今は【浮き玉】は手元に戻って来ているが、普段から俺が身に付けている【影の剣】もないし……服はちゃんと着ているのになんとも肌寒い気がする。
「何をソワソワしているの……?」
「うん……何か落ち着かないんだよね。普段から色々身に付けてるからね……」
「そうね。外すのは寝ている間くらいよね。貴女ほど長時間大量の恩恵品を身に付けて暮らす者は滅多にいないでしょうし……何か影響があるかもしれないわね」
俺の他愛のない言葉に、思いのほかフィオーラは真面目に返事をする。
「……発動してなくてもあるのかな?」
「断言は出来ないけれど……恩恵品は発動しない状態でも微量な魔力を放っているでしょう?」
「そうだね。薄っすらとだけれど魔力は見えるよ」
「僅かとはいえ、自分以外の魔力を常に浴びているようなものだし、それがなくなれば多少の違和感はあってもおかしくないわ」
「なるほどー……」
言われてみればその通りだ……と頷いていると、フィオーラはさらに言葉を続ける。
「貴女の場合は【祈り】もかけているでしょう? 複数種の魔力を浴び続けていてることになるし、気付きやすいのかもしれないわね」
「そんなもんかな?」
正直なところ、自分自身の魔力への嗅覚が優れている……って実感したことはないんだよな。
それでも、フィオーラが言うくらいだし……もしかしたら自分で気付けていないだけとか?
「かもしれないってことよ。折角だし鍛えてみたらどうかしら? アカメたちがいるから必要ないかもしれないけれど、あなた自身の勘も磨かれるかもしれないわよ?」
そんなことはなかったか。
まぁ……体の動かし方や恩恵品を使った戦い方はそれなりに真面目に訓練していたつもりだが、今までそういった感覚方面に関しては全部ヘビたちに任せていたしな。
ここらで本腰を入れて鍛えてみるのもいいかもしれない。
「今年はオレの夏の予定はほとんどないしね。外に出る用事もないから部屋にいる時間が多いだろうし……丁度いい暇潰しになるかな?」
「私もその期間は人と会わないでこっちに来ているから、その気があるのなら付き合ってあげるわ」
「そうだね……その時はお願いするよ。……どうかしたの?」
今まで喋りながらも、フィオーラは手は動かし続けていたんだが……何かあったのか【ダンレムの糸】の通常形態である髪留めを手に乗せたまま固まっている。
「【ダンレムの糸】……どこか異常でもあった?」
俺の質問に、普段はすぐに答えるフィオーラだが……何も答えずに【ダンレムの糸】をジッと見ている。
……本当に異常でもあるんだろうか?
俺が心配しながらフィオーラを見つめていたが、彼女はそのまま一分ほど固まっていたかと思うと、ふと顔を上げてこちらを見た。
「ごめんなさいね。大した問題ではなかったわ」
そう言って微笑んでいる。
「……それはよかった。けど、何かあったの?」
「魔力を流した際に何か詰まりのようなものを感じた気がしたのよ。同じ個所に向かって二度発射したって言っていたでしょう? その影響かしら?」
手入れの間無言で過ごすのもなんだからと、俺はフィオーラに今日の戦闘の様子などについて話していたんだが、彼女は【ダンレムの糸】の違和感の原因は一の森での二発撃ったことかもしれないと考えたらしい。
「発動してみたらより詳しく見ることが出来るけど……ここでは難しいわよね?」
「室内だしね。アレクとかがいたらともかく、ちょっと危ないかな?」
「……まあ、原因も現象も予測がついているし無理をする必要はないわね」
フィオーラはそう言うと、完了したのか髪留めを机の上に置いた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




