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聖貨を集めて、ぶん回せ!  作者: 青木紅葉
26章・領都の北側

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 あまりマジマジと生き物の胃を見たことなんてなかったんだが、それでもどんな物かはある程度分かっているつもりだ。


 液体と固形物の両方を漏らさず受け止められる、しっかりとした袋。


 獣と魔物と魔獣……生物としては色々違うのかもしれないが、大体そんな感じだろう。


 んで、今台の上に置かれているクマの胃だが……それを見ていた冒険者が漏らしたように、明らかに萎んでいる。


 空っぽってわけではないんだが、台の上に潰れるように広がっているし、少なくとも中に固形物は入っていないようだ。


 皆が見守る中、部長がナイフで胃を切り開いていくと、それに合わせて中の胃液が台の上に広がっていく。


 薄っすら煙みたいなものが上がっているが……アレは台が溶けてるのかな?


 いくら何でも普通の獣の胃液だとあんな風にはならないが……魔獣だからだろうか?


 カエルもどきだったらアレくらい出来てもおかしくはない気がするが……クマもそうなんだろうか?


 作業を眺めながら首を傾げていると、部長はさらに次の袋を開けて別の胃を開いていく。


 あっという間に三体分の胃を開き終えた部長が「当たりみたいだな」と呟くと、切り開いた胃を台の上に広げていく。


 真っ二つにされた胃は俺の胴体くらいはありそうだが、三つとも中身は空っぽだった。


「見ろよ。中には何も残っていない。少なくとも数日程度じゃなくもっと長い間、まともに物を食えなかったんだろうな」


 確かに空っぽだが……それだけでわかるものなんだろうか?


 そう考えたのは俺だけじゃなかった。


「たまたま今日何も食えていなかった……って可能性はないのか?」


「そうだな。よほど大量に食ったとかでもなければ、そんなに何日も残るようなことはないだろう?」


 冒険者たちも、台の上を覗きながら部長に訊ねている。


「最初胃を開いた時に中の胃液が漏れたが……台の上に広がった時に煙が上がっていただろう?」


「あ? ……ああ。薄っすらとだったが、気の所為じゃなかったんだな」


 間近で見ていた彼らもその程度しかわからなかったのか。


 まぁ……この台が鉄か何製かはわからないが、解体用の台だしちゃんと対策はしているからなのかもな。


「飢餓状態が長引くと、何でも消化出来るように胃液がより強力になるそうだ。アレだけ量があれば下手な鉄製武器なら簡単に腐食させられるぞ」


「……その台は大丈夫なの?」


「ええ。研究所に頼んで、ちゃんと耐えられるように加工をしてもらっています」


 俺の質問に大きく頷いて答えた。


 もっとも、それでもちょっとは溶けたりするくらい強力ってことなのか。


「なるほどねー……」


 胃液が強化されて吸収効率アップか。


 普通のクマだって相当強力な消化器官を持っているはずだし、魔獣にもなればより一層だ。


 んで、それがさらに強化されるとなれば……何でも溶かしてしまうだろう。


 もっとも……その状態が解消されていなかったってことは、餌に全くありつけられなかったってことだよな。


「三匹ともずっと飢えていたってことになるな。コイツらはどれくらい食っていなかったかとかはわかるか?」


「さあな。肉の状態でも見たらまた何かわかったかもしれないが……商人に既に売ったとかじゃなくて、持って帰らなかったんだよな? それだと流石にわからないな」


 部長の言葉に、皆は「そうか……」と頷いた。


 胃に何か残っているかどうかを見ただけだったが、それでもこれだけのことが分かったんだ。


 これ以上を望むのは贅沢すぎるかな?


 それなら後は……他の臓器かな?


「他の臓器からでも何かわかるかな?」


「飢えていたかどうか……はわかりませんが、毒や病気かはある程度はわかりますよ。ですが、その前に……」


 部長は職員に指示を出してヘラのような道具をいくつも持ってこさせた。


「お前ら手伝うんだよな? 胃液を全部集めるぞ」


 そう言って、周りの冒険者たちにヘラを渡し始めた。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
熊はこちらでは草食寄りの雑食の場合が多いけど、異世界熊は完全肉食なんだろうか?まあ逆にその方が農作物への被害は考えなくて済むけど。
弱ってるからいいけれどこいつらを押しのけて餌を確保してた個体がどうにもならなくなって街道に来るのが怖いね
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