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さて、一階のロビーが混雑していたり、地下のダンジョン前のホールが酒は禁止だったりと、少々想定外の出来事はあったが、ようやく腰を落ち着かせることが出来た。
俺はずっと浮いたままだったが、ウチの隊員たちは朝から北の森や街道や……ずっと移動しっぱなしだったし疲労もあるだろう。
だらしなく座りながら、食事を始めた。
「料理を作ってるところは直接見てなかったけど……そんなのだったんだ?」
先程屋台の側に行った時に軽く見たが、他の客が食べていたのは深い器に入った煮込み料理だった。
だが、今彼らが食べているのはまた違うものだ。
薄いパンと言うべきか厚いクレープと言うべきか……それで焼いた肉や野菜を巻いて何種類かのソースをかけている。
所謂ケバブのような料理だ。
ここの職員が用意してくれたお茶を一緒に飲んでいるが……この料理なら確かに酒の方が合うだろう。
「おう。隊長も食うか? まだあるぞ?」
俺が見ていることに気付いた一人が見せて来るが……。
「……辛そうだけど」
何種類かのソースの中に、一種類赤い物が混ざっている。
彼らは別に平気そうな顔をしているが、どう見たって辛味系のソースだ。
「辛いな。苦手なら止めた方がいいぞ」
俺の言葉に別の隊員が答えるが……やはり辛かったか。
「んじゃ、止めとくよ」
美味しそうではあるが……俺向きではないみたいだ。
「やれやれ」と首を横に振ってテーブルから少し下がって行くと、周りの冒険者たちが代わりに近寄って来た。
「それ、南街のか?」
「話には聞いていたんだよ」
俺たちと一緒だった冒険者たちだけじゃなくて、ダンジョンで狩りをしている冒険者たちにもあそこの屋台の情報は伝わっているようだ。
興味があるようで、テーブルの上の料理を眺めている。
「量はあるし、お前らも食えよ。セラの奢りだ」
その言葉に、彼らは口々に俺に礼を言うとテーブルに手を伸ばしていった。
◇
結構な量を買ってきたつもりだったが、人数が多いだけあってあっという間になくなってしまった。
ここの皆は辛い料理は平気なようで、味そのものは概ね好評だったが……やはり口を揃えて「酒が欲しい」と言っていた。
ともあれ、新しいお茶を職員に用意してもらい、軽い談笑をしている。
「南街か……護衛連中ならともかく、俺たちは滅多に立ち寄らないからな。どんな奴がいるんだ?」
ダンジョン入り口前ってだけあって、基本的にここにはダンジョンでの狩りをメインの者が集まっている。
自宅から出て冒険者ギルドにやって来てダンジョンに潜る。
そして、必要な物があればここの前の通りにある店で入手する……って生活だし、他のエリアならともかく南街には足を運ばないんだろうな。
「街の施設が多い場所だな。そこで働く連中が多いし、俺たちにはあまり縁がないんじゃないか?」
「商業ギルドが出資してるんだろう? 確か領主様の派閥だよな?」
自分たちはセリアーナの派閥だって自覚があるのか、気にするようにこちらを見て来る。
「まぁ……一応そうだけど、それを言ったら店で何も買えなくなるでしょう。気にしなくていいよ」
領地の統治のために勢力をある程度分けておいた方がいいからってだけであって、そもそも本来はそんな派閥は存在しないんだ。
俺が気にするなというと、彼らはそれなら……とまた会話を再開した。
「皆もすぐ外の屋台は利用しづらいとかあるの?」
ふと気になったことがあり、俺もそこに加わる。
「まあ……上品なのが増えたとは思うな。不味くはないし酒も深く飲むわけじゃないからそれでいいんだが……」
一人がそういうと、他の皆も「そうだな」と頷いた。
「もう少し雑な料理でいいよな」
「今のところ俺たちがあそこを利用するのは、近いから……ってのが一番の理由だな」
やはり不評とまでは言わないが、おっさん連中にはいまいちらしい。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




