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「お……あそこが空いているな」
ダンジョン前のホールでは、ダンジョンでの狩りを終えてから戻って来た冒険者たちが、ここで出している軽食をつまみながら反省会を行っている。
結構広いスペースをとっているんだが、それでも席の大半が埋まっていたんだが、上手いこと三つほど纏まって空いている席があった。
俺たちはそちらに向かってホールの中を通って行く。
ホールに下りて来た時点で冒険者たちも俺たちに気づいてはいたが、席に向かっていることに驚いている。
地下通路はここから出入りするし、そちらに用があるとでも思っていたんだろうな。
「お前ら、今日はセラさんと任務だったんだろう? これからダンジョンに潜るのか?」
「浅瀬や上層は碌に空いていないぞ?」
席の間を通る俺たちにどうしたのかと声をかけて来る。
「報告待ちの時間潰しだよ。それより、お前らなんで茶なんか飲んでんだ?」
「俺たちはコレだぞ?」
机の上のコップの中身を見て、隊員たちが袋を掲げて見せるが……。
俺はふと気付いてしまい、「あ」と呟いた。
隊員たちが「どうした?」とこちらを見て来る。
どう答えようかな……と迷っていると、呆れたような声が周りから飛んで来た。
「……アンタらダンジョンにはあまり来ないから忘れてるのかもしれないが、ここは酒は禁止だぞ?」
「前隠れて持ち込んだ奴はテレサ様に殴り倒されたぞ? セラ副長がいるからって逃げられねぇぞ?」
俺自身は酒を飲まないし、基本的に酒のある場所に近づかないこともあってすっかり忘れていたが、ここは酒は禁止だ。
このちょっとしたカフェ風のホールは、セリアーナがプロデュースしたものだ。
そのホールで、可能な限り冒険者同士の揉め事をなくすために、原因になりそうな酒は禁物にしている。
セリアーナが相手だから直接抗議の声を上げたりはしなかったが、それでも遠回しに「酒も出してみては……」といった要望もあったが、それは全て却下している。
必ずしも酒が悪いってわけじゃないんだが……やはりダンジョンでの狩りを終えた後で、狩りが上手くいったにせよ失敗だったにせよ、熱くなった状態で酒を飲みでもしたら、下手したら刃傷沙汰にもなりかねないからだ。
ただでさえ強力な魔物が他所より多いこの街で、人間同士で再起不能にでもなられたら目も当てられない。
だからこそ、その息抜きを出来る場所を用意したいってことも、冒険者ギルド前の路地に屋台を出店している理由の一つだったりする。
しかし……そういえばそうだったな。
「すっかり忘れてたねぇ……」
「ああ……まあ、元々ここに来るつもりはなかったんだが……」
俺の言葉に、隊員は絞り出すような声で返事をする。
元々上だったらそんな制限はなかったんだが、上は混んでいたからな……。
そんな場所で少量とはいえ酒を飲むのは邪魔になるからと、流石に遠慮してこっちに下りて来たんだが、気を利かせたことが仇になってしまったか。
「副長……」
「ダメだよ。決まりは決まりだからね」
少量とはいえここで酒を飲もうものなら、間違いなく彼らはテレサから処罰を受けるだろう。
俺は……どうなるかわからないが、セリアーナ辺りから小言を言われるくらいはするかもしれない。
そもそも、必要だからこその決まりなんだし、それを破るつもりはない。
折角楽しみにしていたのに申し訳ないが……ここでは酒は我慢してもらおう。
「また場所を変える?」
「…………いや、キリがないしな。酒は一先ず後に回して、飯を食おう」
「そうだな。どうせ今日はもう解体所で報告を受けるだけだし、ここを出てからでもいいだろう。……お前らも付き合えよ?」
隊員たちは肩を落としながらそう言うと、嫌そうな表情を浮かべている冒険者たちを睨みつけていた。
ただ単に話を聞こうとついて来ただけなのに……ご愁傷さまだ。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




