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オーギュストの部屋を出たところで、同行している冒険者の一人が「隊長」と声をかけて来た。
「俺たちは冒険者ギルドに向かうが……アンタはどうする?」
同行しているメンバーの中には騎士団の兵もいるが、彼らはこのままここで報告書の作成だったり、武具の整備だったりを行うため別れるんだが、俺は手が空いている。
いつもだとそのまま屋敷に戻るが……今日はまだちょっと早いんだよな。
「まあ、まだ大したことはわからないだろうけどな」
彼らが持ち帰ったクマの内臓とかは、先に冒険者ギルドへ運んでいる。
まだ時間はそれほど経っていないし、研究所の人間がいるかもどうかわからないから、詳しい状態まではわからないだろうが、それでも向こうにいる職員だってベテラン揃いだ。
少しでも触ってみたら、何か異常があるかどうかくらいはわかるかもしれない。
どの道ちゃんとした調査の結果が出るのは、明日俺が出発するより後だろうし、今のうちに何かわかったことだけでも聞いておいた方がいいだろう。
「んじゃ、オレもそっちについてくよ。クマの件も気になるしね」
俺がそう言うと、彼らは「そうか」と頷いた。
「どっちに行く?」
丁度地下への階段が見えたため、俺は彼らに冒険者ギルドに向かうルートを訊ねるが、彼らは揃って前を指した。
「……了解」
地下通路の方が真っ直ぐ行けるし、階段の上り下りを考慮しても楽だと思うんだが……彼らは違うんだろうか?
馬に乗っているのならともかく、既に厩舎に戻しているしな……。
首を傾げながらも、俺は階段の前を通り過ぎて玄関ホールに向かった。
◇
騎士団本部を出て街中を冒険者ギルドに向かって移動しているんだが、別に黙って移動しているわけではない。
俺だけじゃなくて隊員たちも先程のオーギュストの話が頭に残っているのか、そのことについて喋っている。
「アレは何だったんだろうな……。動きが鈍いし力も落ちていたしな」
「カエルもどきも似たような状態だったよな? それなら同じ症状なんだろうが……ゴブリンなんかの雑魚はいつも通りだったよな?」
街中で周囲に住民の姿もあるし、ある程度話題を選ぶ必要はあるが……これは聞かれたところで問題になるような話題でもないしな。
「隊長はどう思う?」
「そうだねぇ……オレは北の森の魔物とはあんまり戦ってないからね。一の森の方は少なくとも弱っている魔物はいなかったよ」
動きや配置が少々通常時よりも変わったりはしていたが、強さそのものには変わったところはなかったはずだ。
俺がそう答えると、彼らは「そうだよなあ……」と首を傾げていた。
「あっと……隊長、コッチだ」
貴族街を抜けてそのまま真っ直ぐ進んで中央通りに入ろうとしたんだが、隊員から待ったをかけられた。
「……うん? そっちなの?」
彼らは揃って南街の方に向かおうとしている。
どの道俺たちが向かうのは東街の端だし、南街を通ったところで遠回りになる……なんてことはないんだが、普段は皆も中央通りを経由して向かっている。
今日に限って何があったんだろうか?
とりあえずついて行くが……気になるな。
◇
「……お? あったぞ! アレだアレだ!」
南街に入ってしばらく移動をしていると、大きな施設が立ち並ぶ一画にやって来た。
その建物の隙間の通路から裏路地が見えるんだが、何かを見つけたのか隊員の一人がその通路の一つを指して声を上げた。
見たところ特に何かがある……とは思えないんだが……?
「うん? 何か布が提げられているね?」
通路に立てかけられた木材に赤い布が引っ掛けられている。
ただの布かと思ったが、よく見ると汚れているわけでもないし、誰かが何かのために引っ掛けたんだろう。
「ああ。最近裏路地でやってるらしい店なんだ。飯は普通なんだが、酒が美味いらしくてな」
「本格的な酒は夜出すそうなんだ。連日朝からの任務で夜の酒は控えているが……この時間で軽くなら問題ないだろう?」
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




