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「ふむ……? こっちに近づく気がないのはわかってたけど、今ので怯みもしないのか。警戒は必要かな?」
獣はどこかに行ってしまったようだが、魔物は先程見た場所からほとんど動いていない。
そこまで強力な魔物ってわけでもないんだが、今の一撃でも全く動じた様子が見えないな。
こっちを襲って来る……ってことはないだろうが、もし草原や街道に出て来た時に、追い払うために半端に手を出すのは逆効果になりそうだ。
街に戻ったら冒険者ギルドに報告しておいた方が良いだろう。
「下も落ち着いたみたいだね。二発目を撃つにはまだ時間が経ってないけど……下りておくか」
連発が出来ないのは【ダンレムの糸】の欠点だな。
後は……威力が高すぎてコントロールが難しいことと加減が出来ないこと。
強力な武器なことは間違いないし、贅沢な注文だってのはわかってるけどな。
そんなことを考えながら地上に下りると、今の一撃の成果を見に行く。
「んー……と? おぅ……意外と残っちゃってるね」
魔物の死体を集めた箇所を綺麗に撃ち抜いてはいるんだが、上手くコントロール出来過ぎていた。
仕留めた魔物は小型の妖魔種ばかりで、死体を高く積み重ねるのは難しかったから、ある程度積んだものをいくつも用意していた。
適当に左右にブレさせることで、まとめていくつか消し飛ばすつもりだったんだが……矢の跡は見事に一本の轍になっている。
もちろん、発射される一撃は普通の矢じゃないし余波もあって、一メートル近くの幅を吹き飛ばしているんだが……それでもまだ大分残っている。
あともう一発……もしかしたら二発必要になるかもしれない。
「次を撃てるようになるまでまだ時間があるし、積み直しておこうかね……よいしょっと」
数体ごとに積んでいた死体を、また一体ずつ尻尾で移動させていく。
「……一直線になるように並べたら次の一発で全部片づけられるかな?」
射線上に並べていた死体は全部消し飛んでいるし、当たりさえしたらちゃんと処理出来ている。
次もまた真っ直ぐ撃てるとは限らないが、大きく外れることもないだろうし、一発で決められる可能性があるのならそれでいいかな?
「よし!」
そう決めると、一直線に並ぶように死体の位置を動かしていった。
◇
一発目は北に向かって発射した。
北側はこの数日見て回った場所だ。
街道に出ていくような魔物はいないし、今日はまだ冒険者は森には入っていないのもわかっている。
矢を撃ったところで問題になることはない。
「もう一発撃ってもいいんだけど……どうせなら有効活用したいよね」
何発も続けて撃ったところで何か好影響があるってこともないだろうし、むしろさらに奥から魔物を呼び寄せるだけになるかもしれない。
それなら別の方角に向けて撃った方がいいだろう。
「まぁ……別の方角っていっても、東も西もあり得ないから南しかないんだけどね」
周囲への威嚇は大事だが、それで森の奥に向かって矢を撃つのは論外だし、かと言ってこれから街道を通る者も増えるだろうし、森の外にまで矢が届きそうなこの位置から撃つのはあり得ない。
ってことで、先程撃った場所の反対側に回り込んだ。
「さっき撃った跡が地面に残ってるし、それに沿って狙いを付けたらいいから丁度いいかもね。問題は……尻尾を巻きつけられるような木が吹っ飛んじゃってることかな? どうしたもんかね」
一発目の射線上に生えていた木は、結構な区間がなぎ倒されてしまっている。
【浮き玉】でバランスをとることも多少なら可能だが、基本的に尻尾で固定することで狙いを定めていたからな。
「ふぬ……地面に突き刺してみようかね?」
バシバシ地面を叩いてみるが、もうすっかり乾いているしかなりしっかりしている。
これなら体を支えることも出来るだろう。
「ほっ!」
俺は地面を何度か蹴って尻尾を突き刺す穴を空けていった。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】+1【赤の剣】【猿の腕】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




